INTERVIEW

- 現場を駆ける先輩たち -

(写真はコロナ禍以前に撮影したものもあります)

真庭支局の仕事


親戚のような温かさ

 岡山県内の自治体で最も面積の広い真庭市と、隣接する新庄村がエリアです。議会や事件事故、まちダネまで、ここで起きることすべてが取材対象。先輩記者と2人、毎日飛び回っています。次の取材場所へ行くのに1時間ほどかかる日があり、一日の走行距離が100キロを超えることもあります。岡山市内から着任した当初は少し戸惑いましたが、取材の合間にドライブをしている気分で、リフレッシュにもなります。

 何より驚いたのは、人との距離感。初対面のおばあちゃんに、背中をさすられながら「仕事頑張ってな」と励まされたり、民家を訪ねると「ご飯食べたの?」と茶碗蒸しをごちそうになったり。親戚のように迎えてくれる温かさに、居心地の良さを感じています。

思い出


思いを形に

 「やってみたい」と思ったら、一歩を踏み出しやすいのが支局の魅力だと思います。秋の風景写真として、支局では毎年、日中に展望台などから見えるススキを撮っていました。今年は今までにない撮り方に挑戦。早朝だけに見える雲海をバックに、たなびくススキを撮影し、新聞の一面を飾ることができました。

 この組み合わせをひらめいたのは、真庭市蒜山地域と新庄村の山道を駆けるトレイルランニング大会を取材したとき。実は上司からは最初、登り始めの写真を撮るだけでいいと指示されていました。でもそう言われると登りたくなって。朝6時頃から1000メートルを超える山を参加者と登り、頂上付近で目にしたのが、見事な雲海だったのです。

 まだ誰も紙面に載せたことのない情報を発信したい。ささやかですが、思いを形にできました。

私の仕事って?


まるで宝探し

 話に花が咲きすぎて原稿を書く時間がなくなるほど、雑談が好きです。ニュースリリース(広報資料)ありきではなく、取材の前後にする地元の人との雑談の中から、新しいネタを見つけることがよくあります。まるで宝物を掘り当てたような気分。取材したいものは無限にあるのですが、原稿を書くスピードが追い付いていないのが悔しい。執筆スピードを上げるのが目下の課題です。

中濱 汐里(なかはま しおり)

真庭支局

2020年4月入社。文学部卒。

香川県出身。報道部政治班(岡山市政記者クラブ)、経済部を経て、22年9月から現職。もともとお酒が好きで、真庭の地酒や地ビール、ワインを買って自宅で順番に楽しんでいる。