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「最後の感謝」の原点は不変
 —人々の価値観が多様化する中、これからの葬儀・葬祭業の在り方は。
 大切な人に対する最後の感謝の儀礼が葬儀です。香典は、ただのお金ではなく、渡す側の心がこめられており、中身の濃い付き合いの証でもあります。最近は葬儀を簡略化する風潮もありますが、心の部分をおろそかにしてはいけない。いかにして大切な人を送るかという原点に変わりはありませんから、葬儀業は本質的には変わらないし、変えてはいけないと考えています。
 —古来受け継がれてきた日本人の美徳を大切にされていますね。
 葬儀には、道徳や地域の慣習が凝縮されています。子どもはかわいがってくれた祖父母を送るとき、生への感謝を知るのです。日本には、素晴らしい儒教思想や情念、抱擁感のある風土がある。東日本大震災の被災地では暴動や略奪もなく、炊き出しで整然と列をなして順番を待ち、しかもお年寄りや子どもを前に並ばせていました。そして悲しみを受け入れ、心の中で昇華する姿は、特別の感謝をもって故人を送ることと相通じるものがあります。
 —常々、「葬儀業は人間の尊厳に一番近い仕事」とおっしゃっています。
 故人の尊厳と真摯(しんし)に向き合うのはもちろん、遺族のグリーフィング(悲しみからの立ち直り)をしっかりサポートするために崇高な心が求められる「人間産業」です。新入社員には「この仕事には、心を成長させてくれる素晴らしさがある」と話しており、そのための研修などにも力を入れています。
 —2月にオープンした「エヴァホール竜操」(岡山市)など、1日1組限定のホールに力を入れておられます。
 ご遺族と、親交のあった人たちでゆっくりと故人をしのび、翌日お送りするのが一番ですから、1日1組のホールが必要です。キッチンも付いており、家のような感覚でお使いいただけます。ご遺族は体も心もお疲れなので、こうした「精神的な利便性」も追求していきたいと考えています。
 —今年のご自身のテーマに「担雪埋井(たんせつまいせい)」を掲げられました。
 井戸を雪で埋めようとしても、大変難しい。すなわち、人生は常に努力していかなければならないという禅語です。当社は今年で創業103年。7月にはJR児島駅前に新たなホールを開業します。担雪埋井の心で精進し、儀礼文化をしっかりと伝えていくとともに、100年企業として社会的責任、地域貢献を果たしていきたいですね。



企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2016年4月1日付 山陽新聞朝刊に掲載したものです。
※役職名や内容は取材時のものです。

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