INTERVIEW

- 現場を駆ける先輩たち -

瀬戸内支局の仕事


初の女性支局長として

 2015年3月、わが社初の女性支局長として、瀬戸内支局に赴任しました。担当する瀬戸内市は人口約3万8千人、波穏やかな瀬戸内海に面した小さなまちです。主な地場産業は農漁業で、人口減と高齢化という課題に直面している―。そんな、海洋国家・ニッポンの沿岸部によくある地方の一自治体です。

 瀬戸内支局では主に、周辺の3支局と連携し、備前、赤磐、瀬戸内市、和気、吉備中央町で発行されるCP(コミュニティーペーパー)面を作っています。扱うニュースは、1970年代に役目を終え「負の遺産」となっていた塩田跡地の活用策、移住者を呼び込もうと奮闘する住民たち、第2次世界大戦で散った知られざる地元ゆかりの詩人の発掘…など行政、地域の文化や伝統、まちづくりなど多岐に渡り、人と会って話を聞き、締め切りに向けて原稿を書くという毎日です。

思い出


生活実感

 2011年に結婚。息子(現在5歳)に恵まれ、約1年の育休を経て前職の経済部に職場復帰しました。保育園や夫・母を中心とした家族のサポートを得てはいますが、育児や介護、地域活動などは生活実感があって初めて、読者に寄り添い、より深い取材ができる場合もあることに気付かされました。

私の仕事って?


「情報を立体化する」

 東京で国を動かすようなセンセーショナルな取材は確かにありませんが、少子高齢化が急速に進むわが国にあって、地方は日本の縮図。地方の未来を模索することが、明日の日本を考えることにつながります。東京一極集中が問題視され、「地方創生」の言葉が空虚に響くいま、日本が抱える課題の〝最前線〟にいると実感しています。

 日々の仕事で、私が最も心掛けているのは「情報を立体化する」という作業です。市や住民団体の発表や話を聞くだけではなく、他の自治体や関係者、外部の専門家などできる限り取材を広げます。インターネットで簡単に情報を手に入れられる現代にあって、単にニュースを報道するだけでなく、地道な取材で事実を多面化し、ニュースの根底にあるもの、ニュースが意味する地域の動きや課題を読者に提供したいと考えています。

 新聞記者の仕事は生活が不規則で、どちらかといえば男性職場と考えられてきました。もちろん、待遇面で男性と対等である以上、男性と同等の仕事に取り組むという気概は必要です。しかし、前述の通り、単にニュース報道で勝負する時代は終わったと考えています。感性を研ぎ澄まし、私を含むダイバーシティ(多様性)への寛容が、より良い新聞づくりにつながると信じ、今日もカメラと取材ノートを抱えて取材に出かけています。

大河原 三恵(おおがわら みえ)

瀬戸内支局長

2001年4月入社。文理学部卒。

社会部(現報道部)、総社支局、経済部を経て2015年から現職。ニュース編集部勤務の夫とあわせて計1年2カ月の育児休業を取得した。