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「吉備の環」プロジェクト始めます

 山陽新聞社は29日、地域の人々とともに持続可能な未来をひらく「吉備の環(わ)」プロジェクトを始動します。コロナ禍で一層顕在化した未曽有の環境変化の中で、よりよい郷土をどう築いていくべきか。各地に出向き、埋もれた魅力を発掘しながら皆さんの声を聞き取り、課題解決に取り組みます。地域をイノベーション(革新)する先導役を担います。

 岡山県が誕生して今年で150年になります。1871(明治4)年8月29日(旧暦7月14日)、明治維新の廃藩置県によって、備前、備中、備後、美作に分割されていた古代吉備の国が備後を除いて再び一つとなる県名ができて一世紀半の節目に合わせてプロジェクトはスタートします。

 地球規模の気候変動に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが加わり、私たちの暮らしは抜本的な見直しを迫られています。一気に進展したグローバル化、デジタル化が、極端な格差、分断を生み出しています。国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた動きも広がっています。

 そうした時代認識の下、まずプロローグ的に紙面企画で岡山県政150年の歩みを振り返ります。官選知事による中央集権体制だった明治、大正、昭和の敗戦までの時代、民主制での公選知事による戦後の昭和、平成、令和の施政を紹介。この間、変わることのなかった東京一極集中を転換するため、今こそ、本当の地方の時代を実現するアクションが必要なことを示します。

 プロジェクトの柱は、地域の生の声を聞く「吉備の環」プロジェクトチームの活動です。本社と関連各社の社員を3人一組で県内各地に派遣。地元の方々とふれあいながら地域づくりなどについてのご意見を拝聴します。その見聞録を紙面で紹介。地域を元気にし、課題解決の端緒にもしていきます。

 もう一つの柱が連載企画「吉備を環めぐる~地域をみつめ 未来をひらく」です。岡山県民の暮らしを支えてきた三大河川(旭川、吉井川、高梁川)とその流域、他地域との交易等々で豊かな文化をもたらした旧街道を歩き、歴史、風土、祭りや習俗、四季折々の景色を見つめ直します。各地区の魅力を再発見し、持続可能な未来への飛躍のカギを探します。

 「吉備の環」は、私たちの地域のアイデンティティーの象徴としての古代吉備の国から取った「吉備」、循環型社会、環境保全など未来をつくるキーワードに含まれ、人と地域をつなぐ共生社会を連想させる「環」と合わせて、本プロジェクトの狙いを表現しています。

 吉備の環プロジェクト推進本部は、地域の情報を募っています。課題やご意見をお寄せください。電話086-803-8091、ファクス086-803-8108、メールkibinowa@sanyonews.jp

 山陽新聞社

2021829日付山陽新聞朝刊社告)

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