岡山駅(8:13発)=やくも3号=新見駅(9:14着)
9:45~10:15
日本一の「親子孫水車」があり実際に訪れてみるとその迫力に圧倒。特に「親水車」の大きさは遠目でもわかるほどで、初めて見たときは驚きのあまり大きな声が出ました。
高梁川水系の神代川から引いた水が水路を通って親子三代の水車を回し、また神代川へ合流する流れを間近で見ることができ、清涼感も凄まじかったです。
また「紙の館」では古くから伝わる奥備中神代和紙の歴史展示があり、安価な料金で「紙すき体験」(要予約)もできます。
設置経緯や和紙の利活用など、地元からとても愛され大切にされている場所であると強く感じています。
10:45~11:45
珍しい湿生植物や水生植物など300種類以上が自生する約3.6haの広大な湿原(国指定天然記念物)。“西の尾瀬”と称され、リュウキンカからサワオグルマ、ヒツジグサと季節ごと次々と変わる花々が迎えてくれます。
敷地内には遊歩道が整備されており、表情を変える自然を楽しみながらのんびりと散策が可能。近くに道の駅もあります。
ちょこっと寄り道
宮崎県出身の歌人・若山牧水(1885~1928年)が学生時代に立ち寄り、「幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅行く」という和歌を歌った地。
新見市哲西町と広島県庄原市東城町が接する県境の二本松峠はかつて、東城往来という幹線道にあり備中と備後の国境でした。
「幾山河…」は1907(明治40)年夏、徒歩の旅で峠を訪れた牧水が取った一夜の宿「熊谷屋」で生まれた生涯の代表歌。宿は現在復元され、二本松公園が整備されています。
ちょこっと寄り道
長くまっすぐ伸びる参道が非常に素晴らしかったです。両脇にまっすぐ立つ杉の木との絵が美しく、長い階段を登りながらしんとした気持ちに。
あまりの静けさに“地の果て”のような心持ちになり、お参りするまでのこころが整っていく瞑想のような行為に、早朝の朝靄の中登ってみたいと思いました。
長くこのままであってほしい場所です。
そして狛犬のファニーな表情も最高。裏手にある荒戸山も気になります。
12:40~13:30
カルスト台地で多くの洞窟が残されている草間台。石灰岩でできていて水が吸い込まれてしまうため生活するのは容易ではなく、戦後になって高梁川から水道が引かれたそう。
それまではため池が中心だったため、昔から蕎麦やたばこが作られていました。
現在は転作が行われモモなどフルーツが作られており、遠方からのお客さんも訪れます。
特別な自然が残されているカルスト台地には、その自然や歴史を使ってまちづくりを頑張ろうとしている人たちがおられます。
13:50~14:20
“鍾乳洞の成れの果て”と言われている国指定天然記念物・羅生門。地下の洞窟だった場所が一部を残して陥没し、高さ約40mの石灰岩の巨大アーチとして残っています。
駐車場から遊歩道を5分ぐらい歩くと突如現れる巨大な門は圧巻の景色!日本の地質百選にも選ばれており、観光地化されず自然を満喫できるスポットです。
洞口から吹き出す低温多湿な空気によって夏でも涼しく、高山性や北方系のコケ植物なども見ることができます。
14:40~15:30
平面に発達した横穴の鍾乳洞(全長約450m)で、1929(昭和4)年に歌人与謝野鉄幹・晶子夫婦が「奇に満ちた洞」と絶賛したことなどにちなみ「満奇洞」と呼ばれるようになりました。
数秒で変化する照明や洞内の「恋人の泉」が「恋人の聖地」に選ばれるなど、近年“映えスポット”として人気。
「八つ墓村」のロケがたびたび行われているほか、2024年9~11月には岡山県北部を舞台に初開催される国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」展示会場の一つとなっています。
15:50~16:40
高さ約240mの絶景の絶壁が続く「井倉峡」と、絶壁の中にある全長約1200mの鍾乳洞「井倉洞」。絶壁と滝の爽快な組み合わせ、絶壁に乱れ咲いている木々は紅葉の名所としても有名です。交通アクセスも良好。
ポイント
3億年の歴史がある鍾乳洞の自然のエネルギーに圧倒されました。“インディージョーンズ気分”を味わえますね。天井高が高いポイントではスペインの「サグラダ・ファミリア」のようにも見えました。
自然の造形に驚くと同時に、数多くある案内板にあふれる人間味が大好きでした。
鍾乳洞への愛が伝わってくる数々のネーミング。想像力を刺激する見立て。新見市マスコットキャラクター「にーみん」の愛らしい張り紙にもこころがあたたかくなりました。職員のみなさんが作っているのでしょうか。
点々とある休憩用ベンチの横に水滴をふくためのタオルがかけてあり、随所にひとの個人的なぬくもりを感じました。
鍾乳洞を出て右に見える井倉の滝の勢いもとても好きでした。細くて力強くて、「生きてる」という感じがします。
ちょこっと寄り道
急な坂道が続くので徒歩や自転車では少し大変ですが、市街地から車で10分程度、自転車でも25分程度で遊びに行け、とても人懐っこくかわいいミニヤギたちと触れ合え癒やされます。
ミニヤギのほか、経営者が飼っているネコ、牧場にはポニーの親子や烏骨鶏も。併設のカフェでは自家製ヤギ乳のチーズや烏骨鶏の卵、それらを使った軽食・スイーツも味わえるほか、チーズ作り(要予約)をはじめたくさんの体験もおすすめです。
カフェを含め牧場はほぼ全て「さーちゃん」こと定岡隆典さんが一人で経営・管理。年一度知り合いや仲間を呼んでマルシェを開催するなど、新見で地元に愛されながら努力している若者の活躍と熱意を感じ取ることができます。
ポイント
新見の星空は、地元の方が「日本有数」と語るくらいとても綺麗。
星が一つ一つはっきりと見えとても美しく、空気がとても澄んでいて周囲に明るい建物が少ないからこその宝物の光景であると感じました。
学校からの帰り道などに何気なく空を見上げるとたくさんの綺麗な星を見ることができ、日々の生活で疲れた心が癒されます。
新見駅(17:46発)=やくも24号=岡山駅(18:47着)