持続可能な地域づくりを目指して山陽新聞社がシリーズ開催しているSDGs×吉備の環(わ)プロジェクト「地域課題に挑む」シンポジウムの特別編・対談「トーク×トーク」を初開催しました。テーマは「若者の地域参画」。若い世代の地域活性化や課題解決参加に向け、岡山県内で支援に当たる実践者2人に参加いただきました。若者の居場所として各地で設立が進むユースセンターを真庭市に設けたNPO法人の理事長・森年雅子さんと、高梁市で小中高大の若者と地域を結ぶ横山弘毅さんが、地域参画の意義や支援の在り方を語り合いました。
(記事は9月27日付の山陽新聞に掲載しています)
お話の概要は以下の通りです。
◎NPO法人manabo―de(マナボーデ)理事長 森年雅子さん
ユースセンターまぁぶる(真庭市)は、学校とも家とも異なる若者の第三の居場所。中山間地には若者の居場所が少ない。 利用者は普段、勉強やおしゃべりをして過ごしているが、学校ではできない活動にも挑戦している。
週に1回、中高生が小学生を指導する学習会を開催。中高生は教師役を務めるだけでなく、運営費捻出のため、自ら申請書を作成し民間助成金を獲得した。センターの一角には、中学生の発案による駄菓子販売コーナーも設けている。
昨年、センターを拠点に大学生や社会人ら39歳以下のグループを立ち上げた。最初の活動で今年3月、市立図書館で文化祭を開いた。
地方の大きな課題は人口減少。止めるのは難しいが、減少速度を緩やかにできるのではないか。真庭市でも魅力を増やし、住みやすくすれば、地域のファンや関係人口を増やせる。一緒に環境づくりをしてくれる若い世代を増やしたい。
◎高梁市学校連携コーディネーター 横山弘毅さん
東京から移住し、小中高校、大学と、地域が連携関係をつくる支援などを行っている。今月、高梁城南高が生徒による株式会社を設立した。最高経営責任者(CEO)ら役職者も生徒が務める。電気、デザイン、環境科学の3科がある特徴を生かし、ITやデザイン分野でビジネスを目指す。支援組織の代表として準備から関わってきた。
高梁城南高生と高梁高生が市役所で働く活動や、中高生が観光協会のスタッフを務める取り組みにも参加している。他に、まちをキャンパスに見立てた若者向けバスツアー小学生から大学生が集まって地域活動を発表するフォーラムなども行う。
移住当初、大人からも子どもからも「何もないところだ」と言われたが、面白い活動をしている人が多いのに、皆が意外と地域を知らないだけだ。
高梁市での活動では、若い世代が実社会と接点を持ち、多くの大人と出会う大切さを改めて実感する。