山陽新聞印刷センターは「地域とともに」歩み続ける山陽新聞社の100%子会社です。岡山県内最大規模の新聞印刷工場(2カ所)を運営し、山陽新聞朝刊などを毎日印刷しています。
2018年5月に稼働した早島工場は大地震が起きても新聞発行が続けられるよう免震構造を採用し、自家発電装置と用紙を大量保管できる立体紙庫を備えています。
客観的な取材で裏付けられた正確な情報を読者の皆さんに提供する-。信頼のメディアである新聞の社会的責務の一翼を担うべく、より鮮やかで美しい紙面を目指し、技術の向上に努めています。
会社概要
- 会社名
- 株式会社山陽新聞印刷センター
- 設立
- 1987年7月15日
- 資本金
- 1,000万円
- 事業内容
- 新聞印刷等(山陽新聞朝刊ほか)
- 従業員数
- 62名(2025年3月現在)
- 代表者
- 代表取締役社長 秋山 茂男
- 所在地
- 本社・早島工場(さん太しんぶん館)
- 〒701-0304
岡山県都窪郡早島町早島2671-1
電話 086-483-2800 - 倉敷工場
- 〒710-0805
岡山県倉敷市片島町964-1
電話 086-466-1005
沿革
- 1987年7月15日
- 株式会社山陽新聞キャリア・サービス設立
- 1989年12月18日
- 株式会社山陽新聞印刷センターに社名変更
- 1990年6月29日
- 岡山県倉敷市片島町に山陽新聞印刷センターの社屋(現・倉敷工場)が完成。オフセット輪転機1セット(40ページ4カ面カラーの印刷が可能)を設置。
- 1991年9月25日
- オフセット輪転機を増設し2セット体制とする(いずれも40ページ4カ面カラー)
- 1995年10月14日
- 1990年6月導入の輪転機を改造し、40ページ12カ面カラーに増強
- 2006年3月9日
- 社屋を増築し、1991年9月導入の輪転機に代わる新しいオフセット輪転機(48ページ16カ面カラー)を導入
- 2008年11月28日
- 2006年3月導入の輪転機を改造し、48ページ24カ面カラーに増強
- 2018年5月7日
- 岡山県都窪郡早島町早島に早島工場が完成。オフセット輪転機3セット(40ページ32カ面カラーが1セット、40ページ24カ面カラーが2セット)を設置。倉敷工場は2006年3月導入の輪転機1セット体制に。
新聞ができるまで
1.給紙
新聞に使う巻き取り紙は直径1.2メートル、重さ1.3トン、長さ19キロメートル。立体紙庫と平面紙庫に約300本を収納できます。輪転機への運搬、装着にはAGV(自動搬送台車)を使用します。
- 立体紙庫
- 縦22.7メートル、横12.6メートル、高さ16.7メートルで、巻き取り紙222本を収納できます。
- AGV
- 巻き取り紙を載せる専用台車。床に敷かれた磁気テープ、磁気マーカーを感知しながら時速3.6キロメートルで自動走行します。
2.製版
山陽新聞社などから送られてくる紙面データは、ページごとにCTP(製版機)でアルミ板に焼き付けられ刷版となります。印面には水と油の反発を利用した化学処理を行い、文字や写真など印刷する部分には油性インキが付き、その他の部分は水の膜によりインキをはじく仕組みになっています。
- 刷版1
- CTPから出力される刷版。カラー面では青、赤、黄、黒の4色のインキを重ねて印刷するため、1ページあたり4枚の刷版を使用します。
- 刷版2
- 刷版の輪転機への装着、取り外しは自動化しています。刷版に印字してあるQRコードをスマートフォンで読み取ることにより誤装着を防ぎます。
3.印刷
オフセット輪転機は、刷版に付着したインキ(文字や写真)をブランケットというゴム面に逆向きに転写し、さらにブランケットから新聞用紙に転写する仕組みです。印刷品質を維持するため、カラー面の4色の見当を自動制御する装置、汚れや濃度過多などの不良紙を検知する装置を備えるほか、印刷中は従業員が常時検紙を行います。
- 輪転機1
- 早島工場のオフセット輪転機3セットは、いずれも8ページを刷れる印刷機を5台連結してあり、1セットは40ページ32カ面カラー、2セットは40ページ24カ面カラーの印刷が可能です。
- 輪転機2
- 印刷速度は最大約16万部(1時間あたり)に上ります。印刷された走行紙はフォーマー(三角板)を通り、最終的に折り機の中で1部ごとに断裁、折り畳まれ、新聞が完成します。
4.発送
印刷された新聞は、販売店など宛先ごとに決められた部数の新聞束を作製するため、キャリアーを使って発送部門のカウンタースタッカーへ運ばれます。出来上がった新聞束はベルトコンベアーに載せられ、宛名紙の添付、フィルム包装、結束バンドの装着をすべて自動で行い、輸送トラックまで運ばれます。
- キャリアー
- キャリアーは輪転機のセットごとに設置。頭上の高い位置を走行しており、垂直、水平方向、ひねりなど自由度の高いコースレイアウトが可能です。
- 梱包装置
- 梱包は輸送時における新聞の汚れを防ぐのが目的です。高速印刷に対応するため、カウンタースタッカー、包装機、結束機は輪転機のセットごとに3台ずつ配備しています。