社長あいさつ

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代表取締役社長 松田 正己
創刊140年 地域との絆 太く強く

 山陽新聞社は2019年1月4日、創刊140年を迎えました。明治、大正、昭和、平成と時代を貫き、世紀を超えて紙齢を重ねてこられたのは、地域と読者の皆さまに支えられてきたからこそであり、深い感慨と厚い感謝の念に堪えません。

 前身である山陽新報の創刊は西南戦争の余燼(よじん)がくすぶる1879(明治12)年1月4日でした。この年の3月、現在の県議会に当たる「岡山県会」(定数49)が設置されています。今日でいう地方自治の歩みの始まりでした。選挙で選ばれた代表が議論して地域の将来を決める政治の実現には、住民が地域の情報、課題を共有する必要があります。それを提供する役割を担えるのが新聞でした。

 創刊号の社説では「あまねく山陽の事情を写出し、世間有益のことを論述し、もって大いに教化殖産の道を裨益(ひえき)せんとす」と自らが果たすべき使命を宣言しています。日々発生する出来事の中から地域の発展向上に資するもの、暮らしに役立つ関心の高い事象を選別して深く取材し、正確、公正、客観的に伝えるとともに論評を加えて、人々に最適な判断材料を提供する。よりよい地域づくりのために地域に寄り添い、地域とともに歩む。この創刊の精神は今もいささかも変わりません。

 今、私たちはかつて経験したことのない複合的な課題に直面しています。著しい少子化と超高齢化、人口減少の中、人工知能(AI)やモノとモノを結ぶインターネット(IoT)等々、革新的なテクノロジーが急速に普及。社会、産業構造に大きな変革を迫っています。

 メディアの世界でも、だれもが容易に情報を受発信できるネット空間が広がり、虚実入り交じった情報が飛び交うことで、ゆがんだ世論が形成され、社会を分断、格差を助長する事態も生じています。また、地球規模の気候変動、環境破壊が続く中で、かつてない災禍が内外のいたるところで頻発しています。2018年7月の西日本豪雨は郷土・岡山に戦後最悪ともいえる甚大な被害をもたらしました。

 こうした全く予測不能で困難な時代だからこそ、山陽新聞社は社会の羅針盤として、持続可能な活力ある地域づくりのためになくてはならない情報のインフラの役割を果たしていかねばなりません。

 これまで培ってきたジャーナリズム機能に一層磨きをかけ、地域の中にさらに深く入り込み、地域との絆を太く強くしていく地域主義に徹し、新聞を核にデジタル、テレビ、ラジオなど多様な媒体を駆使して正確で信頼される山陽新聞ニュースを地域の隅々にまで届けてまいります。