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2026トップインタビュー




防衛産業国産化の一助に
 —無人航空機用エンジンの開発状況は。
 昨年末から社内でのエンジン耐久テストが始まっています。6月からは当社製エンジンを航空機に搭載した実機でのフライトテストをアメリカで行います。そして、今年中に実際に使用される現場へ実機を試験導入する予定です。国内外の防衛目的で用途はさまざまです。国外に関しては防衛装備移転三原則により、同盟国、同志国に限定され、かつ紛争地域へ流れる恐れがある場合はNGとなる他、外為法に則した輸出管理も必要です。参入には非常に高度な情報セキュリティー体制の構築が求められます。
 —開発、販売について。
 当面は無人航空機用エンジンユニット(エンジン+制御システム)に特化します。ほとんどの無人航空機メーカーは既製の汎用(はんよう)エンジンを無理やり転用しているのが実情です。ところが無人航空機は用途、使用環境によってエンジンの要求仕様が大きく異なります。例えば飛行高度によって気温も気圧も異なりますし、常に同じ高度を飛び続けるわけでもありません。さらに自衛隊や軍隊では部隊によって使用燃料が異なります。どうしても専用エンジンが必要なのです。
 —大手は参入しないのですか。
 オーダーメードに近い仕様で受注数量も納期も予測がつかないため、大手ではとても対応できないと思います。逆に当社は、大手にはできない中小企業ならではの柔軟な戦略をとることができます。技術的にもエンジン本体部分を極力共通化し、制御システムであらゆる条件に対応可能な独自ノウハウの確立を目指しています。
 —この分野での中長期ビジョンについて。
 第1フェーズではエンジンユニットの供給に特化して業界の熟知に努めます。第2フェーズではエンジンユニットのみではなく、無人航空機の完成機生産を目指します。当社の業務提携先の無人航空機メーカーは若いスタートアップ企業が多く、生産能力(工場、生産人員、量産技術、部材サプライチェーン)を有していないファブレス企業がほとんど。彼らは専用エンジンユニットだけでなく、量産能力も求めています。決して当社が一から航空機を開発するわけではありません。「あくまでもエンジンにこだわる」という経営理念から逸脱しないことが肝心だと心得ています。




企画・制作/山陽新聞社メディアビジネス本部
※2026年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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