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2025トップインタビュー




金の高値続き売り上げ回復
 —業況はいかがですか。
 新型コロナウイルス禍による低迷からようやく脱しつつあります。主要顧客である40〜50代の女性を中心に購買単価が増し、売り上げはコロナ前の近くまで戻ってきました。ここまで不採算店の撤退やスタッフの集約を全国で進めてきましたが、ひと段落といったところです。
 —業績が回復した主な要因は。
 金(きん)の高値が続いているのが大きいです。5年前は1グラム6千〜7千円だったものが、どんどん最高値を更新し、今は倍を軽く超える水準になっています。世界経済は先が読みにくい状況にあり、安定資産である金の需要が高まっているためと思われます。それにつれてネックレス、ブレスレットといった商品の価格が上昇し、販売総額を押し上げています。
 —回復基調は続くでしょうか。
 今は確かに好調ですが、危うさをはらんでいると思っています。購買単価が上がっている半面、客数は伸びていません。宝飾品などに消費を向けることができる層と物価高で生活防衛を余儀なくされる層の二極化が進み、顧客は固定化されつつあります。新規顧客の開拓を怠れば、先細っていくばかりだと感じています。
 —今後の販売戦略は。
 主要顧客向けには、好調なゴールドを中心に、高くても手にとってもらえる質の良い商品をお勧めします。その際には、お客さま個々の望みに合った品を提供できるようなマーケット活動が重要です。新規顧客の開拓に向けては、若い層に受け入れられる商品の研究や開発を進めます。
 —昨年、持ち株会社化しました。
 業務の効率化に向けて社内体制の改革に踏み切りました。グループ3社の管理部門を統合し、今後は関西と関東の店舗で分かれている仕入れ業務を一本化しようと思っています。販売や在庫管理などの共有システムも導入する計画です。
 —SDGs(持続可能な開発目標)についてはどうお考えですか。
 限りある鉱物資源を扱う企業として、持続可能性は最も重要ともいえるテーマです。当社は、お客さまから貴金属を買い取る新業態の店「aneta(アネタ)」を大阪で2店展開しています。採算ベースにのるにはもう一息ですが、一定のご利用はあるようです。買い取った品の再商品化や修理部門の充実を図りたいと思っています。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2025年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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