
2025トップインタビュー



ニーズつかんだ新事業必要
—業界と貴社の状況は。デジタル化が進む中、業界全体は依然として厳しさを増しています。当社もそうした需要の変化をうけ、発注形態が変わったお得意さまからの仕事が以前の水準に至っていない状況です。例えば、カタログやチラシでも2次元コードを読み取って詳細を案内するものが増えています。一方で「DMは紙の方がレスポンスが良い」と話すお客さまもおられます。リピーターを大切にしながら紙だけに固執せず、多様化する社会ニーズをつかんだ新事業を展開する必要性を感じています。
—2022年から取り組む、外部機関を活用した営業力・マーケティング力強化プロジェクトの成果は。
3期に分けて実施し、昨年末に終了しました。月2回の研修では、営業や制作といった部署の垣根を超え、20、30代の社員を中心に楽しみながら意見を出し合っていました。特にマーケティング力強化のプログラムでは、岡山・広島の駅ビルや街で市場調査を行うなど、実践的な取り組みで社員の意識が大きく変わったと感じます。大切にしたのは、「自らが主体的に市場へ届けるビジネスを築こう」という考え方です。お客さまからのご依頼ありきではなく、社員自身が発想し、新たな可能性を生み出すことを目指しました。プロジェクトでは、形態にこだわらない企画がいくつか生まれました。5年後の創業100周年にむけて具現化できればと考えています。
—3月に大阪で開催された「JP2025・印刷DX」に出展されました。
2年連続の出展ですが、今年は大きく内容を変えました。昨年は同業他社をターゲットに、オフセット輪転機を売り出しましたが、今年は若手社員たちにレイアウトや出展内容まで一任。自社PR動画で「印刷会社でこんなこともできる」とご来場者にアピールできました。
—人材獲得も含め、今後の展望は。
今年、会社サイトに先駆け採用サイトをリニューアル。若手社員が登場し、やりがいを語ってくれました。さらに動画投稿サイトなど多様な発信手段を活用し、魅力を伝えていきます。また、従来のように「営業職」「事務職」と区別して募集するのではなく、「こんな知識や技術がある」と、「自分」をアピールしてもらう選考を検討中。これから、主体的に取り組む姿勢が当社にも求められます。社員たちには、「もっと自由にやっていい」と伝えていきたいです。