
2025トップインタビュー



新ブランド「晴れ風」が好調
—岡山工場の現況は。新ブランド「晴れ風」が好評ですね。前任の神戸工場長から今年3月に着任しました。岡山工場は中四国唯一の生産拠点として、主力の「キリン一番搾り生ビール」をはじめ、昨年4月、17年ぶりにビールの新ブランドとして発売された「キリンビール晴れ風」、チューハイの「キリン氷結®」など59種類208商品を製造しています。昨年の販売数量はいずれも堅調で、中でも「キリンビール晴れ風」は年初目標の約3割増を記録しました。今月から料飲店向けに壜(びん)製品の製造も始めます。好調の要因は「飲みごたえと飲みやすさ」を両立した味わい、購入することで全国の自治体が行う桜や花火の保全活動に寄付できる仕組みが支持されたことです。岡山では新庄村や井原市の桜が寄付の対象なのでお客さまの興味の輪が広がればと考えております。
—今年の取り組み方針を。
「晴れの国から笑顔を!」をスローガンに、安全を最優先に「お客さま本位」「品質本位」に基づいた製造を行うことで、商品の価値を確実に届けたいと考えています。そのためには従業員「一人一人」が成長し、「チーム力」を高め、現状に満足せず「挑戦」することが重要です。この三つを掛け合わせ、「頼りにされる工場」になることを今年の目標に定めています。
—環境への配慮、地域貢献にも熱心です。
昨年から工場西側と南側の敷地に太陽光パネルを増設しており、本年4月からの本格稼働に向けて準備しています。稼働すれば工場の電力使用量のうち太陽光発電の割合が4%から20%に増加する見込みです。
また吉井川の豊かな水の恵みを受ける工場として国の天然記念物アユモドキの保全活動を行っています。2019年から取り組んでいる工場敷地内のビオトープでの人工繁殖は昨年2年連続で成功しました。今後はふ化した稚魚を成魚に育てる高い目標に向け、地元の保護グループや小学生と活動を続けていきます。
—今年の展望を。
26年10月にはビール類の税率が一本化され、税率の下がるビールの需要は今後一層高まると予想されます。それに向けてわれわれは、お客さまに満足していただける品質の製品を安定して製造し、お届けすることにこの1年しっかりと取り組んでまいります。