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2025トップインタビュー




安定受注見込み他社と協業も
 —社業について昨年の振り返りを。
 作業用帽子というニッチな分野に特化し、一貫して製造を続けてきました。例えば食品メーカーや製造業の工場、レジャー施設向けなど作業帽全般に対応できる会社は国内では他にないと聞いております。コロナ禍では生産減となりましたが、その後3年前から工場はフル操業が続き、売上は順調に伸びています。今年も全国1500社近い代理店からの安定した受注を見込んでいます。
 —業界の動向はいかがでしょうか。
 全国的には家族経営の小規模な会社が多く、決して楽観的ではありません。ここ数年の傾向として、後継者不足や縫製技術者の不足により製品の供給ができなくなった同業他社から、いわば競合する当社に受注が入るという現象があります。当社では、業界内で助け合えればとの思いから、できる限りタイアップして商品を受注生産して協業しています。こうした多方面からの受注にも対応できるよう人材の確保に努め、ベテランから若手まで各年代の切れ目のない「年齢の輪」を作って、技術を伝達するようにしています。
 —業界の現状を鑑みて、国策に期待したいことは。
 私たちの身の回りの物の多くは「ローテク」といわれる日本古来の伝統技術や人間の手作業に支えられています。一方、ユーザーの要望は年々多様になり、デザインや仕様も複雑化しています。時代の変化に対応するには高度な機械を導入し、人材の育成も必要です。しかし、技術を守り続けているメーカーの多くが零細企業で、十分な初期投資ができないのが現状です。ITやAI(人工知能)といったハイテクへの支援も大事ですが、ローテクを守り育てることにも国の政策の光を当ててほしいと願っています。
 —公職では倉敷のまちづくりに尽力されています。
 理事長を務める倉敷文化振興財団では、今年3月に倉敷美観地区を舞台に「第39回倉敷音楽祭」を開催しました。代表として運営する倉敷まちづくり株式会社は、倉敷市阿知の「阿知まち広場」に複合施設の開設を予定しています。倉敷市中心市街地活性化基本計画に基づき、にぎわい創出を目的としたミニシアターやカフェ、特産品販売の店舗を公募。9月頃のオープンを目指しています。今年は倉敷美観地区観光客数300万人超えを目指し、活動支援をしたいと思います。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2025年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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