
2025トップインタビュー



未来に向け攻めの姿勢貫く
—業界動向をお話しください。商業印刷における紙媒体の市場は縮小が続いており、特に昨年の郵便料金の値上げによりダイレクトメールの需要が落ち込みました。紙やインクなどの資材の高騰、トラックドライバーの残業規制強化による物流コストの上昇にも見舞われています。成り行きに任せた経営では、さらに事業環境が厳しくなる一方です。縮小均衡に陥ることなく構造改革を実施し、攻めの姿勢を貫きます。
—どのような改革をしていますか。
紙以外の新商材を扱うべく、昨年より社屋の改装工事を進めています。本社部門の執務室をワンフロアにまとめ、生まれたスペースに新たな生産ラインを整備する計画です。社員には導入する機械の操作に関する研修を順次受けてもらっています。一連の取り組みを進めるにあたり、今年のテーマを「ワンチームで未来を切り拓(ひら)こう」に設定。昨年から約140人の社員と1人ずつ面談をしており、会社の現況を説明し、課題や問題点などに耳を傾けています。健全な危機意識を持ち、一致団結して未来に向かってチャレンジしていく考えです。
—日本創発グループ(東京)との提携によるシナジー(相乗効果)とは。
グループ内には印刷の他にも、セールスプロモーション、文具や雑貨の製作などの会社が所属。新商材を扱う際にノウハウの提供を受けたり、設備導入で投資コストが抑制されたり、さまざまな恩恵を受けています。東京のグループ会社へ当社の社員を研修で派遣したこともあります。さまざまな技術や知識に触れ、人・モノ・情報が集まる東京の空気を吸うことで、目線も高くなったようです。
—社員のモチベーションを上げる取り組みも実施されています。
24時間、365日稼働できる生産体制と、品質と納期に対する高い意識が当社の強み。この強みを維持できているのは社員たちの努力のたまものです。初任給のアップや夜勤手当の増額といった処遇改善に取り組んでいます。福利厚生では、本社屋上にバーベキューなどを楽しむことができる人工芝のスペースを設けたほか、憩いの空間として社内に40畳の畳スペースを整備。また小さな取り組みですが、自動販売機の飲料を値下げしたところ好評を得ています。風通しの良い職場づくりに取り組み「ものづくりは人づくり」を愚直に実践していきます。