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2025トップインタビュー




豊かな食シーンを岡山から世界へ
 —創業175周年(2031年)に向け経営の軸となる「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」を刷新し、3年目を迎えます。
 「豊かな食シーンを岡山から世界へ」というビジョンの達成へ向け、第1段階の探究を経て、地域でものづくりに励む人たちと連携する第2段階の「共創」に取り組んでいます。円安を背景とした訪日客数の増加はもとより、日本人旅行者の国内回帰が進み、観光、土産物業界にとって追い風です。倉敷市美観地区にある明治期の町家を再生し、喫茶スペースを併設した「倉敷雄鶏店」の客足も好調。地区内は新たに若手の出店者も増え、にぎわいが生まれています。
 —昨秋より、仏パリへ「きびだんご」を“初輸出”し現地で販売しています。
 昨年5月、パリに日本の銘品を扱うアンテナショップ「GOEN(ゴエン)」をオープンした一般社団法人「日本欧州貿易支援機構」(長野県)からお話をいただき、和菓子人気も高まっていることから挑戦を決めました。輸出に必要な書類作成や現地の物流の手配など、実現へ至る過程は大変勉強になりました。まずは、元祖、抹茶、白桃の3種類を販売しておりますが、抹茶と白桃の売れ行きが好調です。日本らしさを求めていることが分かり、今後の商品開発に生かしていきます。
 —今年は大阪・関西万博、瀬戸内国際芸術祭などイベントが控えています。
 岡山へ足を延ばす観光客が増えるでしょう。自然豊かな岡山でゆったり過ごしてもらえたらと、昨年10月から、中納言本店(岡山市)の喫茶スペースで和菓子と日本茶のセットを新たに提供しています。私自身、欧州をはじめ海外を巡り、現地で和の素材を使った新しいフランス料理などを味わった経験から、食に国境はないと改めて実感しています。日本で食べたものを自国で紹介して広めてくれる契機になればと考えています。
 —3月1日、JR岡山駅前に新たな拠点を構えました。狙いは?
 社員の創造性を育て挑戦する基地として、岡山駅前にサテライトオフィスを構えました。中納言本店に次いで2カ所目。商品・サービス開発、マーケティング、広告宣伝、新規事業など総合的な開発を目指します。駅前は旅行者、学生ら人が集まるし、都市圏へのアクセスも便利になります。食の持つ可能性をさらに広げ、笑顔と感動を生み出していきたいと思っています。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2025年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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