
2025トップインタビュー



創業80周年、積極的に設備投資
—最近の業況についてお聞かせください。昨年の売上高はグループ全体で290億円(2024年11月期)でした。鳥インフルエンザなどの影響で鶏卵価格が高騰し、過去最高益(325億円)となった一昨年と比べ、生産量は減っていないのですが、供給が回復して鶏卵価格が落ち着いたのが要因です。昨年末ごろから鳥インフルエンザの感染拡大が加速しており、鶏卵価格も上がっています。価格は市場が決めるため、当社としてはどうしようもないのですが、消費者の皆さまに安定供給ができるよう努めてまいります。
—安心・安全な卵の生産への取り組みを教えてください。
当社は1996年に業界で2番目となる自主的な検査センターを設立しました。獣医師を含む専門スタッフがサルモネラ菌などの抜き取り検査を行っています。コストはかかりますが、安全・安心はわれわれ採卵養鶏企業にとって当たり前のことで、最低の条件と考えています。消費者の食品安全に対する意識向上に応えるため、HACCP(ハサップ)に基づく衛生管理を徹底し、2020年には食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」も取得しました。設備については、古いものから随時リニューアルし、良質な商品を作っていくための投資をしていきます。
—地域貢献、社会貢献にも力を入れておられます。
将来の笠岡市を背負って立つ子どもたちのため、教育施策の充実に役立ててもらおうと、21年度から毎年、市こども教育振興基金に寄付しています。グループ企業を通し、笠岡、井原市などに23年から企業版ふるさと納税も行っています。11年からバレーボール女子の岡山シーガルズを応援しており、23年からは笠岡大会の冠スポンサーも務めています。当社の利益を少しでも地元に還元し、「地域のお役に立ちたい」と考えています。
—今後の展望をお話しください。
ここ数年、養鶏業界は寡占化が進んでいます。人口減少が進む中で、生き残っていくには、人材育成はもちろん、設備投資を積極的にしなくてはなりません。機械にできることは多少コストがかかっても機械に任せ、労働生産性を上げていきたいと思います。昨年は会社設立60周年でした。今年は創業80周年です。消費者にいっそう支持される会社を目指し、努力を続けます。