
2025トップインタビュー



「心の教育」で人材輩出
—公立学校教員や保育士をはじめ多くの優秀な人材を輩出されています。純朴で素直な学生たちが集い、優秀な指導者の力添えを得て努力を続けた結果、社会に貢献できる人材へと成長しているのが本学の特長だと捉えています。就職先として公的機関から一般企業まで幅広い仕事が選ばれていますが、学生の価値観として「社会のために自分を役立てたい」という気持ちが強い傾向です。仏教の教えを基盤とした教育が少しでも浸透している結果と言えるのではないかと考えています。
—「心の教育」とは。
学是「念願は人格を決定す」に込められているのは、目標や願いを持ち、それに向かって真摯(しんし)に努力を重ねることこそが人格を磨いていけるという大乗仏教を基にした考えです。人を喜ばせ、人の喜びを自分の喜びとすることが最も理想的な生き方であるとしています。年間を通して行う念仏実践の本質は、神仏や自然の働きの中で生かされているという姿勢を学ぶものです。生命の誕生しかり、心臓を動かし血をめぐらせる身体活動しかり、誰も自分の意志で生きているわけではないのです。自分の命が自然や宇宙の理の中にあることを理解すると、自分勝手に生きてはいけないということが分かります。生命の尊さを理解し、感謝の心を持つ人を育てることが、私は教育の基本だと考えています。
—「健康スポーツ教育学部」が新設されました。
人生100年時代に欠かせないのが健康です。新設学部は未来を見据えて自分自身と周囲、社会全体の健康増進に貢献できる「健康教育」を主眼にしています。命という観点からも既存学部にはなかった全く新しい分野で、これからの取り組みに期待しています。
—今後のビジョンは。
認定こども園、高校、短期大学、さらに大学が1カ所に集結したことで、より教育の充実化が図れています。園児、生徒、学生たちが満足できる保育学習体制を整えながら、学びを地域へ還元する両輪で進めていく所存です。新たにビジョンを反映させたロゴマークもつくりました。「心」という文字が地球を包み、鳥のように羽ばたいているデザインで、宗教的情操教育により豊かな人間性を涵養(かんよう)するという意味を込めています。少子化の加速に歯止めがかからない昨今、質の高い人材教育を進め、倉敷市玉島地区の発展を目指して取り組んでまいります。