2026トップインタビュー



おかげさまで創業170周年
—創業170年を迎えられました。廣榮堂が170年続いてきた理由は、時代に合わせて静かに、着実に、変わり続けてきたからです。今あらためて大切にしているのは、「両利きの経営」という考え方です。技を磨き道を究める「深化」と、新しい価値を切り拓(ひら)く「探索」を両立させながら革新を続けてきました。時間が限られる現代の働き方でそれを実践していくには、人材力の向上が不可欠。そのための取り組みとして、販売員への英会話研修を開いて異文化コミュニケーションを学ぶ機会を設けたり、会社の方針や意思決定を文書化・公開したり、「深化」と「探索」2軸の取り組みを加速させています。
—MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)3年目の振り返りを。
5年後の175周年に向けて策定したビジョンのステップ1では、地域に根差した先人の知恵や自然の恵みを「探究」し、深く掘り下げました。ビジョン達成に向け3年前から「地域学研修」を実施。備前焼づくりやみそづくり、農業などの体験を通じて、新しい人間関係や連携が生まれています。
—MVV4年目の「共創」ではどのような取り組みを。
現在はステップ2へ移行しています。情熱を持ってモノづくりに励む社外の方々との「共創」を目指します。これまでにも、岡山大学と産学連携し、「きびだんご」のカーボンフットプリント(CFP)の表示を実証したほか、新たに「むかし吉備団子」のもち米(ヤシロモチ)づくりを岡山市藤田地区の若手生産者の方々と共に始めました。さまざまなコラボレーションが、新しい価値創造につながることを期待しています。最終段階では、「共創」によって生み出した「豊かな食シーン」を地域や世界に向けて「発信」していきます。自社の取り組みや製品の価値、岡山の魅力を発信する役割を当社が担えるよう、企業価値を高めてまいります。
—「きびだんご」をパリに初輸出して1年ですね。
ゼロからスタートし、フランスならではのハードルをクリアするのは大変でしたが、きびだんごの評判は非常に良好です。「桃太郎」をPRすることが「きびだんご」の認知度にもつながっているため、「桃太郎のきびだんご」という文脈を温めながら、岡山から全国、そして世界へ届けていけるよう挑戦を続けます。




山陽新聞社