
2025トップインタビュー



技術者育成を成長につなげる
—建設業を取り巻く環境と貴社の近況についてお話しください。業界の慢性的な人手不足は深刻で若い世代がなかなか増えず技術者の高齢化が進んでいます。さらに、2024年から時間外労働の上限規制が適用されたこともあり工程管理はより難しくなっています。当社は若手人材の採用に向け学校訪問を強化しているほか、入社後も、土木・建築の一級施工管理技士をはじめとした国家資格の取得を支援しています。人材を立派な社会人に育てることは企業の使命であり、社員の成長なくして会社の発展もありません。技術は一生の財産となることから、今後も資格取得を奨励していきます。
—施工現場へのICT(情報通信技術)の導入が進んでいます。
施工では、現場の状況を仮想空間で再現する「デジタルツイン」を活用。ダンプカーやショベルカーの最適な台数を事前にシミュレーションしたり、ドローンやタブレットを活用して定期的に施工状況を3次元化したりすることで現場の進捗(しんちょく)や課題を把握し、業務の効率化が図れています。ICTの活用は業務の効率化だけでなく安全性の向上にもつながります。今後、省人化の流れはさらに加速すると考えており、最新技術を積極的に取り入れ、活用できる人材の育成などを進めています。
—社会貢献にも力を入れています。
SDGsの達成に向けた取り組みとして、社員たちによる本社周辺や旭川の清掃を定期的に実施しています。また当社の事業に対する理解を深めてもらうため、子どもや地域住民らを対象にした工事現場の見学会を開催しており、実際に見学がきっかけで入社した社員もいます。会社設立40周年記念で始めた近隣の保育園への絵本の寄贈もこれまでに6回実施し、延べ千冊を超える絵本を寄贈しています。少子化が進む中、次世代を担う子どもたちの健やかな成長につながればと考えており、今後も継続していく予定です。
—今後の展望をお聞かせください。
一定の工事成績評定を達成した企業が認定される国土交通省中国地方整備局の工事成績優秀企業に毎年選ばれており、今後も安定して受注できるような態勢を整備していくのが私の役割です。多様な人材が力を発揮できる職場づくりにも取り組み、施工現場で活躍する女性も増えました。これからも施工管理会社として優秀な技術者を育成し、50周年に向けてしっかりとしたレールを敷いていくことを決意します。