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2025トップインタビュー




新加工機で効率と品質向上へ
 —木材業界の現況はいかがですか。
 新設住宅着工戸数は世界的な物価高の影響で低い水準が続いていますが、足元では注文住宅の持ち家を中心に下げ止まりの動きも見られます。不透明な国際情勢に加え、米国ロサンゼルス近郊の山火事による復興需要拡大が今後どのような影響を及ぼすか、予測が難しい状況です。木材は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収、貯蔵する役割を持ち、植える・育てる・使うというサイクルを繰り返すことが重要。防腐加工で木材を長寿命化することは、山の若木の成長を待つことになり、適切なサイクルの維持につながります。われわれの仕事そのものがSDGs(持続可能な開発目標)であると日頃から社員には伝えています。
 —防腐加工の需要は。
 オフィスや店舗といった木造建築物の耐久性を第三者が評価する制度の導入が新たに検討されています。木造建築物の法定耐用年数は店舗だと22年、オフィスで24年ですが、建物への防水対策や、雨にさらされる部分の防腐処理を施していれば、50年以上の耐久性が認定され、金融機関からの融資面でも有利になります。これまで防腐処理は住宅の建材や土台が中心でしたが非住宅分野にも拡大していきたいです。
 —住宅用建材の新しい加工機を導入されますね。
 老朽化しているプレカット加工機を6月に更新し、工場のレイアウトも一部変更する予定です。建築用の木材や部材を工場であらかじめ加工するプレカットは品質が安定しており、高気密、高断熱が求められる近年の住宅建築に適しています。工期短縮が図れるのも大きなメリットで、当社ではいち早く取り入れていました。新しい機械の導入により、加工のバリエーションがさらに広がり、生産効率と品質の向上が期待できます。
 —今後の展望をお聞かせください。
 国の指針や制度が大きく変わるなど、先が読めない時代が続いていますが、木造建築や防腐加工が不要になることはなく、加工業者にとってはビジネスチャンスが多く訪れると考えています。重要となるのは人材ですが、おかげさまで安定して採用できており、離職率も低い水準を維持しています。先人の技術を場所や時代を超えて受け継いでいくことで100年、150年続く企業を目指し「岡山で防腐加工やプレカット加工といえばさんもく」と言われるようにしていきたいです。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2025年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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