
2025トップインタビュー



「和合」の心で地域を元気に
—昨年度は社会貢献にまい進された1年でした。ライオンズクラブという、どなたでも参加いただけて奉仕活動を行う世界的な団体があります。昨年、鳥取・岡山地区の統括者に就任したため、世界と日本中を奔走した1年でした。日本でも昨年元日に起きた震災に始まり、水害も多発し地域の方々が疲弊する中、助け合いの手はいくらあっても足りない状況でした。オールジャパンで対応するために「和合」のスローガンを掲げましたが、皆さんの素晴らしい協働によって相手のために自分を生かす気持ちを広げていくことができたように思います。任を退いた後も「和合」の志を強く持ち続け、より良い社会に向けて貢献を惜しまない所存です。
—社業も順調に強固な基盤を築いておられます。
私が代表取締役に就任したのが38歳のときでしたから、事業承継には以前から優先的に取り組んでいました。当社のコア事業である送電線関連の技術は熟練が必要で、最新技術をもってしても一人前になるまでにおよそ20年はかかると言われています。加えて環境の過酷化に伴い、既存技術では対応できなくなってしまった部分も出てきています。工事内容の見直しと技術進化が常時求められ、熟練者と若手がそれぞれの得意領域を交差させながら慎重に進めていく必要があります。電気と通信という、もはや生活に欠かせないインフラ事業を担っている重責を自覚し、情報セキュリティーにも配慮して進めています。
—ユニークな人材教育を導入されていますね。
私も含めて、土木建築に従事する人材はどちらかというと分かりやすい価値観を重視する傾向にあります。これまで待遇や福利厚生の充実を進めてまいりましたが、人間教育の観点を取り入れたいと考え、大原美術館とパートナーシップを締結し、社員が一流の美術に触れる機会をつくりました。当初は戸惑いもあったようですが、現在は楽しんでいただけているようです。
—今後のビジョンは。
引き続き「和合」の精神で、協力の輪を広げ、地域貢献を進めていきたいと考えています。特に注力したいのは次世代人材との連携・協働です。学生や若手アスリートの活動支援を通して、地域を元気にするサステナブルな人材輩出を第一義に掲げ、下支えしてまいります。