
2025トップインタビュー



人間中心の自律型組織目指す
—第3次中期経営計画(2024〜26)スタートの年となりました。18年からの長期経営ビジョン最終タームとなる第3次中期経営計画を策定しました。想定以上のスピードで劇的に変化する時代の中、当金庫ではソリューション活動に加えて「人間中心の自律型組織の確立」と、「ソーシャルキャピタルの構築」の二つの基本戦略を柱としました。組織能力の向上を図り、協同組織金融機関としてソーシャルグッド(よりよい社会)な未来の創造を目指しています。
—人間中心の自律型組織とは。
人づくりの面では、これまでの管理型組織から、自ら考え、判断し、行動できる組織を目指しています。視野を広げるため、職員自らが海外視察を企画する「セルフ・イノベーション・トリップ」の第2弾を実施。職員がドイツ、オランダ、スイスへ渡航し、ソーシャルバンクを視察しました。昨年1月には、20〜50代の職員が年代ごとに分かれて30年後の「たましん」の姿を考えるコンテスト「Beyond(ビヨンド)30」を行い、職員の意識改革を図りました。また月1回、理事長と幹部候補生の勉強会も行っています。
—「ソーシャルキャピタル構築」の取り組みも全国で注目されています。
ソーシャルキャピタル課を中心に、地域の課題解決に取り組んでいます。倉敷駅前の遊休スペースを有効活用するマルシェ「メルカド・リコ」や、大原美術館等とタイアップした「婚活パーティー」、4拠点で開く認知症予防学習療法「はつらつ健康教室」、ウクライナ支援イベントなどを開催。コミュニティーの形成、再生に力を注いでいます。また支店を拠点にした地域密着型イベント「寄り添い企画」は、店頭キッチンカーや買い物難民地区支援、子ども食堂向け食品調達など年間約60件の企画を各営業店が行い、その評価が当金庫の価値向上にもつながっています。
—今後の展望を。
ポリクライシス(複合危機)の時代にあって少しでもよりよい社会を創造するための対応を考えていきます。昨年4月には龍谷大学と京都信用金庫らで組織する第三者機関が社会的課題解決に貢献している企業を認証する「ソーシャル企業認証制度(S認証)」に関西地区信用金庫らと共に加盟。当金庫の取引先企業も認証されています。今後は職員の成長を加速させるために職員の基礎的な考える力を鍛える「野心的な人事戦略」に挑戦しようと思います。