
2025トップインタビュー



街の魅力、文化的繁栄に貢献
—業況をお聞かせください。おかげさまで昨年度は過去最高の売上高を計上できました。要因としてインバウンドの需要増加が大きいと思われます。例えば昨年、東京支社が施工した新橋の商業施設は、ビル全体が革新的なインバウンド対応施設です。内外装に空間演出としての「サイン」がふんだんに施されたもので、まさに当社の技術の本領を発揮する案件となりました。このようなインバウンド需要が続く限り、当社の出番は増えていくと確信しています。
—サイン業界が担う役割とは。
ひと昔前まで「サイン」は建築工事の中で雑工事と呼ばれる存在でした。ところが現在のサイン工事は「環境空間を演出する重要なインフラ」という認識を持たれるようになってきました。設計段階から全体のイメージの創出を担うマーケティング戦略の一環として、「サイン」の重要性が認識されつつあると感じています。
—働き方改革の一環で営業マニュアルを作成されるそうですね。
昨年4月にわれわれの業界も時間外労働の上限規制がスタートしました。これを機に、仕事のやりがいと残業時間が並立する「モーレツ企業」から、やりがいは高いまま労働時間の効率化を図る「プラチナ企業」への脱皮を目指しています。取り組みの一つが「営業ハンドブック」の制作です。今まで暗黙知として伝承されてきた営業スキームを形式知として洗い出すため、部門横断型プロジェクトとして進行中です。ハンドブックは新入社員の早期戦力化や離職防止に役立てるほか、業務上の“落とし穴”や“地雷”の事前共有も可能です。また制作のために社員にヒアリングを行う中、多くの気づきがあり、業務の改善、効率化などの効果も得ることができています。
—今後の戦略やビジョンは。
2030年に単体で売上高30億円を目指す中期経営計画の下、「人の心を豊かにするような文化レベルの高い洗練されたまちづくり」に貢献していきます。アリーナや美術館、音楽ホールなどは街の魅力が向上し、人々のシビックプライドを高めます。また今年は大阪・関西万博と岡山県内ではアートイベントが開催期を迎えます。人口減少社会において経済的繁栄が下降しても、文化的繁栄は遅れて長く続きます。当社は文化的な施設やイベントに積極的に関わり、文化的繁栄に直接的な貢献をしていきたいと思っています。