
2025トップインタビュー



研究開発やものづくりを強化
—4月1日付で社長に就任。2012年のNAGASEグループ入り以降、初の旧林原出身のトップです。安場直樹・前社長を含め、これまで営業に精通した長瀬産業出身の社長が続いていました。私は研究・生産部門が長く、1984年の入社以来、多機能糖質「トレハロース」の量産研究や、化粧品用素材「AA2G®」の生産効率化などに従事。就任にあたり、研究開発やものづくりの強化への期待を感じますし、実際に価値ある製品を世に出していかなければと思っています。生産、研究部門と各事業部門の連携を深め、「相乗効果の最大化」を進めます。
—林原から社名を変更し1年です。
2012年にNAGASEグループ入りした際、すぐに社名は変わると思っていました。しかし変更のタイミングを林原の創業140年に合わせ、新社名を当社社員が全員参加で決めるなど、旧社名の価値や歴史、社員の想(おも)いを尊重してくれたと思います。新社名にある「ヴィータ」は生命や暮らしを意味するラテン語「Vita」にちなみ、特に海外企業から、事業内容との親和性が高い、と高評価を得ています。
—パーパス(存在意義)、バリューをそれぞれ策定されました。
「生命に寄り添い、人と地球の幸せを支える」というパーパスの下、社員の行動規範となる五つのバリューを策定。そのうち特に「誰に対しても誠実に」は、当社の過去を鑑みれば最も基軸に置くべきだと考えます。この1年間、冊子の作成や社員による勉強会を重ねて社内への浸透を図っており、引き続き周知を進めます。
—グループ会社から生化学品事業を引き継ぐなど、役割が増しています。
ナガセケムテックス(大阪)から福知山事業所(京都府福知山市)の産業用酵素の生産を承継。微生物、酵素など自然の力を活(い)かしたものづくりをしており林原時代から「酵素」でつながりがあった事業所です。酵素の高度な開発技術が加わることで自社製品の開発スピード向上にもつなげていきたいですね。
—サステナビリティー(持続可能性)活動でも高い評価を受けています。
国際的な評価機関の仏・エコヴァディス社から2年連続で最高位の「プラチナ」評価を獲得しました。「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の四つの分野で、実態をともなった取り組みかどうかが評価されるものです。今後も社員一人一人が課題を認識し、取り組みを推進してゆきます。