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2026トップインタビュー




バイオに力 新たな価値創出
 —社長に就任されてから1年です。
 生産畑が長く、就任前は市場の声を聞く機会は少なかったのですが、就任以降、社外の方々と対話をする機会が格段に増えました。当社製品がどのように使われているかを直接耳にできることは大きな喜びです。主力商品が節目を迎えて報道で取り上げられるなど、会社への注目が高まっていると感じています。
 —多機能糖質「トレハロース」の販売から30周年を迎えました。
 「トレハロース」は当社のバイオテクノロジーを用いて、でん粉を原料に世界で初めて大量生産に成功した素材です。今でも用途が広がり続けていることに感慨を覚えます。節目を記念し、トレハロースを使った和菓子製法の講習会を東京や大阪で開催しました。
 他にも、美白(ブライトニング)の効果が期待できる安定型ビタミンC「AA2G®」も発売30年。飲料などに幅広く使われている水溶性食物繊維「ファイバリクサ®」は発売10年です。グループ会社から引き継いだ福知山事業所(京都府福知山市)で生産する酵素の活用も可能となりました。今後は糖質と酵素の両方を活用した新たなアプリケーション開発に注力します。
 —昨年11月、岡山大学と「糖質・植物生化学講座」を開設されました。
 当社の研究員を大学に派遣。特任准教授として指導をしながら、地球温暖化に伴う環境変化が、植物とそれに共生する微生物との関係にどのような影響を及ぼすかについて研究しています。猛暑や水不足といった環境変化が植物や微生物に与える影響を調べ、糖質などの生体化合物が成長やストレス耐性にどう関与しているかを解明していくのが目的です。当社の糖質科学の技術と大学の学術的知見を融合することにより、産学の垣根を越えた新たな価値の創出を目指します。
 —今後の展望について、お聞かせください。
 NAGASEグループ全体でバイオ分野に力を入れています。親会社の長瀬産業(東京)は、今年1月に米カリフォルニア州に研究所を新設しました。当社はグループ会社や研究拠点と連携し、ロボティクスやAIなど最先端技術も活用することで、開発スピードや製造の効率性を向上させてまいります。岡山から世界へ、微生物や酵素など自然の力を生かすバイオ技術で食品や化粧品、医療品など、多様な分野への新たな価値を提供し続けます。




企画・制作/山陽新聞社メディアビジネス本部
※2026年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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