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2025トップインタビュー




「生物多様性の保全」テーマに
 —課題解決型の緑化製品を次々と発売されています。
 2年前に売り出した「イジゲンシート」は、のり面を芝で緑化しつつ雑草の繁茂を抑える機能があります。従来型は定期的に草刈りが必要でした。その手間が省けます。緑化の「維持」にかかる労力を「軽減」するのでイジゲンシートです。シカの食害から植物を守る緑化マット「クサマモール」は昨年発売しました。シカに草地を荒らされて地盤が緩み崩れるケースが各地で起きています。「草」を「守る」クサマモールはネットで食害を防ぐ構造で、比較的安価なのも特長です。ほかに、高齢の作業員でも設置が容易な軽量化シートや、猛暑でも枯れない植物を使った緑化材など、時代の要請に応じた製品の開発を進めています。
 —防災も御社の大きな役割です。
 斜面の保護に加え、近年は河川の越流対策に力を入れています。芝生で堤防をがっちりガードして決壊を防いだり、越流したとしても堤防の決壊までの時間を遅らせるような芝の敷設法を開発したりして、頻発する豪雨から人や街を守ります。また自治体や建設コンサルなどを対象とした講演会で当社の技術者が防災減災対策をアドバイスし啓発しています。
 —海外事業はいかがですか。
 2021年に現地法人と共同出資してタイに製造拠点を設けました。同国では意欲的な社会インフラ整備に伴い緑化などの需要が多く業績は順調です。製品のバリエーションの拡充や周辺国への展開を考えたいと思います。
 —人材育成に注力しておられます。
 「若手成長モデル」に基づいた育成を取り入れています。1年後にはこうなってほしい、5年後はこんな社員に、という像を描き、それを目指して教育する方法です。定期的に開く達成度の報告会で自分の成長度合いが確認でき、励みとなっているようです。
 —今後の抱負をお願いします。
 当社の新たなテーマとして「生物多様性の保全」を掲げています。いろいろな生き物を育み守るという観点で事業に取り組むのが、自然に関わる企業の社会的使命だと思うからです。先日、岡山県美咲町にある当社の研究圃(ほ)場が、民間により生物多様性が保たれている区域を環境省が認定する「自然共生サイト」に選ばれました。県内では4カ所目です。これからも美しい国土を保ちながら、さまざまな課題に立ち向かいたいと思います。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2025年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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