
2025トップインタビュー



新規事業もDXも人が主役
—石油製品・塗料販売の天野商事株式会社(丸亀市)をグループ化しました。塗料という新事業を展開でき、本社周辺が臨海工業地帯のため従来の事業に有益という点も魅力でした。瀬戸大橋のおかげで時間的距離が近く、生活圏・経済圏が重なっていることも決意した要因。同じガソリンスタンド経営ですが、運営や会計システムなどの面での気付きも多いので、良いところを吸収しながら新たなシステムに統合していきます。今後は人事交流を活発化し、効率化や人材育成など多様な面でシナジー(相乗効果)を高めていく考えです。
—社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)やICT(情報通信技術)の取り組みとは。
知識や経験、技能、人脈など属人化している情報を次代に残し、誰もが自由にアクセスできる環境をつくりたいと考えています。各種情報のデータベース化・可視化に取り組みつつ、産学官金連携によるDX支援コミュニティ「DXサンライズおかやま」に参加して推進を図っています。社外研修参加を促したことで、クラウドサービスを利用して業務システムや効率化を実現するアプリを作成したり、会話型AIサービスを活用して業務効率を高める従業員も増えてきました。
—18年間スポンサーをしているファジアーノ岡山がJ1に昇格しました。
J1昇格以来、試合のたびに県外の友人・知人から連絡が入り、喜んでいます。私は岡山出身ではないのですが、ファジアーノを応援する中で知識や見識、幸福感が高まり、郷土愛も育ってきたと感じます。岡山は森の芸術祭などのイベントでも人と人がつながり、よりよい地へと成長していると思います。その一助となるよう、今後も応援していく所存です。
—産学連携で進めている研究とは。
岡山大学との共同研究で測量用ドローンや地上移動ロボット、森林3次元計測システムを用いて山林資源の可視化を図るプロジェクトです。これまで人の勘任せだった木の本数や大きさなどを数値化してデータ管理することで見積もりと収穫量の誤差をなくし、持続可能な林業を目指します。こうしたDXはチャレンジする社員がいてこそ可能です。主体性を持って活躍できる人材を育てるためにも、多様性を認め合い、優しさと厳しさのバランスが取れた会社づくりを心がけていきます。