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2026トップインタビュー




「緑化と生物多様性の保全」使命に
 —シカによる食害が近年、全国的に増加しています。
 2024年、滋賀県米原市の伊吹山の麓にある集落で土砂崩落が起き、住宅7棟に被害が出ました。シカが山の草木を食い荒らした結果、地盤が緩んで自然災害につながった可能性が高いと指摘されています。当社には長年、のり面保護工事で蓄積した獣害対策のバリエーションが多数あるほか、24年から植物が育つシートとシカ対策ネットを一体化させた「クサマモール」を発売しています。コスト・施工性で評価をいただいているので国や自治体などに、そういった特長をPRしていきたいと思っています。
 —昨年は、美咲町にある日植総合研究圃(ほ)場が環境省の「自然共生サイト」に認定されましたね。
 この自然共生サイトは、民間の取り組みで貴重な生態系が保たれている区域が対象となっています。当社の場合、研究開発の一環として一帯の里山を維持管理していることが在来動植物の生息を支えていると評価されました。1993年に開設した圃場にはコナラやアラカシ、フユノハナワラビといった250種類超の植物が確認されているほか、ノウサギやヤマドリといった動物も数多く生息しています。当社は「生物多様性保全」により緑の価値を高めることを新しい使命として捉えています。
 —会社の現状はいかがでしょうか。
 私たちの本業は、のり面を保護することで防災・減災を図り、安心・安全な社会づくりに貢献することです。ただ会社には、さまざまな部門があって、それぞれにこだわりがあるため、ともすれば部分的な提案にとどまり、お客さまにとって最適な提案ができていないケースが生じていると反省しています。社内のコミュニケーションや連携の在り方を見直し、組織・意識の改革に取り組んでいきたいと考えています。
 —理念教育を重要視されているとお聞きしました。
 社是の「誠熱」は誠意と熱情をもって事に当たり、至誠慈悲の心を常に積み重ねていくという考えで、創業者・柴田正の精神を表したものです。国家の安泰が企業の安定、家庭の平和、国民の幸福につながるという基本的な考え方から国家・企業・家庭の一体化経営に取り組んでいます。会社の理念を全社員が深く理解し、ベクトルを同じ方向に合わせて業務を遂行することが欠かせないと考えています。




企画・制作/山陽新聞社メディアビジネス本部
※2026年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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