
2025トップインタビュー



「自律型経営」でコスト意識重視
—3年後は創業100年です。当社は農業用発動機「ルビー号」のメーカーとして出発し、現在は製鉄所の設備部品や産業機械部品などを製造。これまでお世話になった方々への感謝の気持ちを持ち、節目に向けて働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、新規事業の参入などに取り組んでいく所存です。
—働きやすい職場づくりに向け、さまざまなことに取り組まれています。
労働時間の短縮、見合う賃金、モチベーションの向上の三つを軸に取り組みを進め、完全週休2日制を導入。吉備高原工場の稼働などで社員数が増えたこともあり、業務にスピード感を出すため組織化も進めてきました。会社や同僚に貢献していることを実感できる企業風土をつくり、多様な人材が活躍できる職場にしていきたいです。
—DXの導入状況は。
CAD・CAM(コンピューター利用設計・製造システム)に加えて生産管理システムを導入し、情報伝達のスピードアップと進捗(しんちょく)状況の見える化を進めてきました。今後は膨大な時間がかかっていた見積もりのペーパーレス化に着手。浮いた人員を適性に応じて配置転換することで全体の効率化を図っていきます。リモートワークの推進では、在宅でのCADによる設計を実施しており、今後はCAMのプログラミングのリモートに取り組みます。
—社員が主体的に行動できる「自律型経営」を進めておられます。
組織はトップだけがつくるものではなく、社員個々の力が合わさることで強くしなやかになると考えます。社員にはこれまでも効率的な仕事の方法を意識してもらっていましたが、それに加え今年からはコスト意識を持つよう呼びかけています。社員の業務量を平準化することで残業が減り、その分賞与として社員全員に還元される—という思いを持ち、1分1秒の使い方を考えてほしいと思っています。
—新規事業の取り組み状況は。
以前勤めていたシステム会社の代理店として、企業や団体にDX導入のお手伝いをしています。この他、個人客向け事業として、当社の技術の粋を集めた新製品を開発中。創業当時のメーカーの立場に原点回帰することで、価格競争に左右されない高付加価値の製品を作ることができると考えています。携わっている社員には結果にとらわれずに試行錯誤し、ものづくりの楽しさを感じてもらえればうれしいです。