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2025トップインタビュー




地域の将来担う若者育てる
 —美作大学の公立化に地元津山市が前向きな姿勢を示しました。
 18歳人口の減少で大学運営は全国的に厳しさを増しており、もともと人口の少ない地方の私大はなおさらです。大学存続に学園単独の努力では限界があると判断せざるをえず、昨年1月、津山市に公立化の検討を求める要望書を提出しました。市の本年度予算で調査費も組まれ、一歩前進したと捉えています。
 —どんな大学を望みますか。
 まだ開学が決まったわけではありません。中教審は大学新設の認可要件を厳格化するよう文科相に答申しています。これからハードルが幾重にも待ち受けているはずです。今後実施予定の有識者会議等で、より良い大学像が固まっていくのを願っています。
 —あらためてまちに大学が存在する意義をお聞かせください。
 地方創生が叫ばれ、若者が住み続けるまちづくりに特に中山間地域の自治体は必死です。企業誘致や子育て支援などと同じような活性化手段の一つとして大学は位置付けられると思います。大学があれば、若者が集まり、まちが活気づき、新しい産業や文化の芽が生まれます。まちの将来の流れをつくる存在だと考えます。
 —一方で短期大学部は来年春、70年あまりの歴史の幕を閉じます。
 大変残念です。短大こそ、地元の子が学んで地元で職に就く地域密着の学校なのですが。近年は受験生が四年制大学や専門学校に流れ、維持するのが難しくなりました。閉校は卒業生から大変反対されましたが、少子化の波に逆らえませんでした。
 —美作高校は県北最多の生徒数。不登校特例コースやアスリートコースなど特色ある教育にも取り組みます。
 うちを第一志望とする生徒によく来てもらっています。勉強でいきいき、運動でいきいき、不登校でもいきいきできる楽しさが魅力でしょうか。今は生徒一人一人に合った個別教育を求められ、その分教員は大変ですが、地域のあらゆる子を受け入れ卒業させる気概で運営しています。
 —今年で学園創立110年です。
 当学園は私立ではありますが、地元の方々の物心両面の力添えでつくられたことから、私は「地域立」と唱えています。学園の形は時代とともに変わっていくでしょう。ですが地域の将来を見据えまちづくりを提案できる若者を育てる方向性は不変です。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2025年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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