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2025トップインタビュー




AI搭載製品でさらなる飛躍を
 —近況をお聞かせください。
 引き続きの物価高に人件費の上昇、人手不足と、製造業を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっています。当社におきましては取引先や事業ごとに価格転嫁等の進捗(しんちょく)状況が大きく異なりましたが、全般的には難しい事業環境が続きました。生産量の増加が期待された工作機械用ATC(自動工具交換装置)が伸び悩み、自動車部品も前年を上回る程の回復には至りませんでした。その一方で、多くの受注残を持っていた冷間ロール成形機(パイプや形鋼を製造するライン設備)が過去最高となる好業績で全社をけん引し、医薬品製造機器と環境関連機器も安定した生産量を確保することができました。そのおかげで、2025年3月期の全社業績は良好な結果が見込まれます。米国で再選されたトランプ大統領に世界が不安と期待を抱きながら注目していますが、何が起こるか分からない、予測不能な状態に突入したとも言えます。今後、出て来る事象に一喜一憂することなく、当社の強みである多角的経営と世界に広げたフィールドを存分に生かしながら柔軟に対応していきたいと思います。
 —AI(人工知能)搭載製品について教えてください。
 近年目覚ましい進化を遂げるAIですが、当社が製造販売する産業機械においても積極的な活用が必要と思われます。既に当社では二つの事業分野で、AIを搭載した製品を開発していて、これから本格的な販売に乗り出そうとしています。一つは医薬品製造機器の分野で錠剤(タブレット)製造用金型の検査装置にAIを搭載しました。従来、人が顕微鏡やカメラで目視検査していた金型先端部の欠けや割れ、摩耗といった異常をAIに検出させることで人の作業負担をなくして不良金型を見つけ出すことができます。また、もう一つは工作機械の分野で販売をしています切削工具の自動保管装置ツールソムリエ(TOOL SOMMELIER®)にAIを搭載しました。切削工具の刃の欠けや摩耗を判断したり、工具刃の摩耗状態から寿命を予測したりすることができるAIをツールソムリエに搭載し、昨年11月から販売を開始しました。人手不足を背景に産業機械が使われる現場では自動化や省人化のニーズが高まっていますが、これらの開発製品によりお客さまの生産性向上や人手不足の解消に貢献してまいります。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2025年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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