2026トップインタビュー



忠恕とAIを力に未来へ進化
—公共交通再生に尽力されています。規制緩和以来、日本の地域公共交通はこのままでは残らないという深刻な危機に直面していました。この状況を打破すべく、当グループは25年以上にわたり事業モデルの抜本的な変革に取り組んでまいりました。和歌山電鐵で実証実験を成功させ、さらに要請のあった中国バスを再建した実績をもとに国へ働きかけました。地域公共交通活性化再生法の成立で、ようやく9合目までたどり着いた実感を得ています。現在、最終目標として競争から協調への転換を促す運送法の改正を目指しています。交通網は生活インフラであり、有事の際に物資や人員を輸送する国家安全保障の基盤であるとし、「世界に冠たる公共交通大国」を目指して今後も最優先で尽力してまいります。
—地域の価値創造を進めています。
瀬戸内海を世界的な観光地へ変貌させるプロジェクト「WONDERFUL SETOUCHI」は自治体やJR西日本も参画し、地域全体の価値向上を目指す全国でも極めてまれな取り組みです。小豆島を中心とした海域を拠点に、単なる移動手段ではない客船クルーズという概念を導入。岡山をゲートウェイとしてシームレスな交通網を構築しています。2027年には日本初となる1万トンクラスの最高級のブティック船、ヨット型客船が就航予定です。一方、開館60周年を迎える夢二郷土美術館では、文化を次世代へ継承するための取り組みを続けています。こども学芸員やこども夢二新聞といった次世代育成プログラムを通じて、受け身で学ぶだけでなく、自らが夢二の語り部となっています。子どもたちが興味を持たないものは次の時代には残らないという信念のもと、文化のバトンを未来へつなぐ活動を続けています。
—本年度の経営方針は。
当グループの経営の根幹は「忠恕(ちゅうじょ)」(真心からの思いやり)。短期的な利益の追求ではなく、社会のため、お客さまのため、そして最大の目的に「社員の幸せ」を置いています。長期的な視点で事業を構築する中で、多くの日本一、世界一を誇る事業が生まれました。現在、生成AIの急速な普及は働き方に革命的な変化をもたらしていますが、深刻な倫理的課題も内包しています。「忠恕」の倫理的な基盤があるからこそ、「人間性豊かなICT集団」として進化を続けてまいります。




山陽新聞社