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新プラントで稼働率向上へ
 —貴社の現況は。
 当社のPCa(プレキャストコンクリート)製品は、工場であらかじめコンクリート製品を製造し、建設現場で組み立てる部材です。当社は特に梁(はり)、柱といった構造部材を得意とし最大のメリットは工期短縮で、通常在来工法ではコンクリート強度を確保するためマンションの1フロアに3〜4週間かかるところ、PCa製品では最短7日で完成します。職人不足かつ建物も高層化している中で、建築業界では今後、必要不可欠な製品です。主な取引先は大阪で、今月開幕の大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」では、基礎全体の6分の1に当社製品が使用されており、昨年も順調に業績を伸ばすことができました。おかげさまで2028年ごろまでは仕事の見通しが立っている状況です。
 —進行中のプロジェクトは。
 最も大きいプロジェクトは、23年から取り組んでいるJR大阪駅北の再開発「うめきた2期 グラングリーン大阪」。北分譲棟(46階)は今月完納し、既に着工している南分譲棟(同)も、当社製品が使用されます。大規模な再開発で国内外から注目されており、そこに携わっていることは本当にありがたいことです。他に御堂筋線新駅「箕面」や26年からは中之島といった大阪中心部の超高層マンション建設が続きます。
 —今春、工場内に新しいコンクリートプラントも完成しました。
 1992年の工場稼働から丸32年がたち、初めての大型設備投資です。当社は「120N(ニュートン)/mm2」という、西日本でも数社しかない高強度コンクリートの認定を取得しています。粘りが強く、当時の設備では通常の6、7割くらいの量しか練ることができませんでした。そこで、新プラントに入れ替えることで、品質が安定し、練り効率も格段に上がり、工場の稼働はこれまで以上に良くなってくると思います。
 —人材獲得にも力を入れます。
 当社社員の平均年齢は45歳を超えます。技術や知識を次世代に引き継ぐため、昨年度から採用を本格化しました。おかげで一年を通じ、中途を含めて3人が入社。昨年初めて行ったインターンシップにも多くの学生が参加してくれるなど、手応えを感じています。インターネットでの情報発信や、ラジオ・新聞の広告も地道に続けて知名度を上げたい。そして5年後、10年後には自然と次世代にバトンが渡せる。そんな会社にしていきたいと思っています。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2025年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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