
2025トップインタビュー



評価高い改良型のNJ—X
—建物内の配管をつなぐステンレス製管継ぎ手のトップメーカーとして、昨年は改良型を本格投入しました。従来型の「ナイスジョイント(NJ)」を40年ぶりにモデルチェンジした「ナイスジョイントX(NJ—X)」は非常に高い評価をいただいています。「漏れない」「抜けない」というNJの強みはそのままに、緩みを防ぐ構造やメンテナンスのしやすさなど機能性をアップさせました。NJ—Xの採用は全国で順調に伸びています。
—NJ—Xの製造本格化に伴い本社工場の設備を更新したそうですね。
メインサイズの継ぎ手を組み立てる3ラインの更新を順次進めており、作業を自動化していっています。省人化は中小企業にとって避けられない課題です。人と機械の役割を見極め、可能な工程ではオートメーション化を積極的に取り入れる方針です。
—配管の用途はさまざまですね。
当社製品は全てステンレス製で、腐食しにくく、錆(さび)などの不純物が混じらないのが一番の長所です。一般的な給水や空調管向けのほか、衛生管理がより厳しい病院や精密機械メーカーのクリーンルームにも使われています。次世代燃料として注目される水素用も今後需要が増えるとみています。将来どんな継ぎ手が求められるのか、社会の動きを注視して研究を続けます。
—昨年の能登半島地震では多くの水道管が損傷し耐震化が課題として浮かび上がりました。
大規模地震がたびたび起こるわが国では、強固な配管網はライフラインを支える重要なインフラです。当社は径の大きい本管向けは扱っておらず屋内配管用のみですが、使命は重大だと認識しています。阪神大震災(1995年)では施工先全てで継ぎ手の損傷がなく、当社製品の強さを実証しました。南海トラフ地震などが予想される中、建屋が残っても水が来ないために使えない、といった施設や家屋を可能な限り無くしたいと思っています。
—昨年は創業60年でした。
節目を迎え、ぜひとも100年企業に、という気持ちが強くなりました。それにはしっかりした財務体質にしないといけません。前期は目標としていた売り上げ70億円を達成しましたが、企業は利益を残してなんぼ。利益をしっかり確保できる体制を整え、従業員や地域に還元します。福利厚生もより充実させ、若い人に選ばれる企業であり続けたいと考えています。