
2025トップインタビュー



人材確保と適正料金目指す
—「2024年問題」で物流業界にはどのような影響がありますか。昨年4月1日以降、働き方改革関連法により、トラックドライバーの改善基準告示が改正されました。「2024年問題」といわれますが、実際は今年度以降もずっと改善は続けていかねばなりません。特に影響が大きいのは、労働時間と賃金の問題です。ドライバーの労働時間や時間外労働時間が制限されたことで、運送事業者としては売り上げや利益の確保ができなくなります。労働時間短縮はドライバーの収入減にもつながり、人材確保がいっそう困難になっている状況です。また、人材不足は配送の停滞やコスト増加の懸念、さらにドライバーへの身体的な負担にもつながりかねないため大変苦慮しています。
—どう対応をされていますか。
運送区間の途中で荷を積み替えたり、同じ地域に運送する他社との特別積み合わせをしたりといった対応も取っています。賃金の面でも苦慮しています。軽油の高騰で経費が増大していますので、従業員の処遇改善を図るためには適正な運賃・料金の収受にご理解いただくことも不可欠です。国土交通省や中国経済産業局といった省庁からも、さまざまな支援をいただいています。業界全体の課題である事業基盤の確立のためには企業努力で補う部分への理解浸透を図り、業界を挙げて取り組むことも課題だと考えています。
—昨年4月に広島主管支店、5月は津山主管支店を新築移転されました。
老朽化してきた支店を順次リニューアルし、各拠点の充実を図っています。広島主管支店は、広島市内の3支店のうち2支店を移転統合しました。また津山主管支店は、真庭市の落合営業所を統合移転した岡山県北の拠点となりました。今後は2027年ごろをめどに、愛知県豊川市にドライバーの休憩スペースを兼ね備えた物流拠点を新設する計画も進めているところです。
—今年の目標や今後のビジョンを。
令和7年の目標を「人材の確保と適正運賃の収受」と定めました。1943(昭和18)年に岡山県下のトラック業者79社を統合して設立した当社も一昨年に創業80年を迎えました。これまで支えてくれたお客さまや従業員のためにも、手をこまねくことなく経営改革を断行することが求められます。多様な人材を包括的に採用し、社員が明るく無事に業務に取り組める環境づくりに引き続き尽力する所存です。