2026トップインタビュー



変わらぬ価値を次の100年へ
—事業の現況をお聞かせください。原材料費をはじめコスト高騰が続く中、姿勢を変えることなく地域密着で商品づくりに真摯(しんし)に取り組んでおります。昨年は米価高騰の影響でパンへの需要移行が取り沙汰されましたが、岡山は米どころでもあり、新米が出回れば落ち着くという一過性のものでした。流行を追うよりも昔ながらの配合と製法を大切にし、「懐かしい」と感じていただける、老舗ならではの定番の味のお届けに徹することこそが強みだと確信しています。直営店と専売店を中心とした販売体制で中間コストを抑え、毎日お召し上がりいただけるリーズナブルな価格を維持できているのも企業姿勢の表れです。効率化を進める中、一部商品の仕込みから焼き上がりまで長時間かかる工程は簡単には短縮できませんが、品質を支えている譲れないこだわりとして今後も向き合う所存です。
—百年パンシリーズが好評です。
従来から親しまれてきた伝統の酒種を生かした「酒種あんぱん」をより多くのお客さまにお届けしたいという思いからライン化に取り組みました。新商品の発売も予定しており、ロングセラーの定番商品とすみ分けながら、ラインアップを充実させてまいります。
—経営方針をお聞かせください。
「大きな企業より良い企業を目指す」。お客さまにとっての「良い」とは、いつお越しいただいても同じ品質、同じ価格、同じサービスでお迎えすることだと捉えています。昨年3月、創業の地である表町の1号店を閉じる決断をいたしました。100年の歴史がある本店であり、思い入れがないわけではありません。しかし地域の成長を受け止め、ブランド価値の維持と方針の堅持をもって、従業員とそのご家族にとっても誇りを持てる会社であり続けることを大切にしたい。課題に向き合いながら、多様な働き方の検討も進め、岡山で育てていただいた企業として地域への恩返しを続けます。
—次の100年に向けた展望は。
伝統を残すためにはやはり発展が欠かせません。店舗改装や設備投資も将来的には視野に入れつつ、グループ全体で力を合わせて持続的な成長を目指してまいります。時代は変わっても、お客さまにおいしいパンをお届けするという原点は変わりません。次の100年もこの岡山の地で、皆さまの暮らしに寄り添い続ける存在として進化を続けていく覚悟です。




山陽新聞社