
2025トップインタビュー



「不易流行」学内に浸透
—「不易流行」の大学経営により、ブランド力も高められています。就任以来唱えてきた「不易流行」は2年を経て学内に浸透してきました。本学に関わる全ての人の幸福を追求する「不易」、社会情勢を見極めて時代を先取りした改革を成す「流行」を実現するには、時間をかけて浸透させていくことが必要だと考えています。また、学生や卒業生に「岡大愛」の機運や、岡山への帰属意識を高めてもらえるよう、私のトレードマークである蝶(ちょう)ネクタイをアイコンとして発信もしています。本学のアイデンティティーやブランド力を確立したいです。
—「研究力を尖(とが)らせる」取り組みをされています。
2023年12月、文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J—PEAKS)」に採択されました。強みである研究力をより高めるために、設備と人材を集めて研究体制を分厚くしました。職員が本学の大学院に進学できる「大学院修学支援制度」で職員のスキルアップにも取り組んでいます。
—大学コンソーシアム岡山の事業計画については。
発足から18年がたち、時代の変化に応じた施策を考える時期に来ています。若者を中心に転出超過が続く岡山県の現状を踏まえると、大学生が岡山で就職して活躍するためには県や自治体、経済界、大学が一体となって、地域や企業の魅力を伝える取り組みを行っていく必要があると考えています。
—地域企業の課題解決に挑戦しています。
研究大学としてのミッションを果たすとともに、地域のシンクタンクであり、アクションを起こせる大学として、地域企業の課題であるDXやカーボンニュートラル実現のためのサポートを行っています。今後はさらに、企業と学生の垣根を低くするような機能や体制を整えていくつもりです。
—「志の道」を説いておられます。
講義では常々、愛媛県四国中央市にある散策道「志の道」の石碑の話をしています。道中に12基ある石碑に刻まれた言葉から、先人の想(おも)いや人間力が学べます。学生の皆さんは生成AIや半導体といった先端の研究から「流行」を学んでいますが、人としての成長に必要なのは「人間力」です。時代が移り変わろうとも、「不易」の人間力を養い、たくましく生き抜くことの大切さを伝えたいと思います。