
2025トップインタビュー



お客さまの課題に寄り添い解決
—小麦の無限の可能性とは。1粒の小麦を製粉の工程で品質や性質の異なる約60種の小麦粉に分け、それらを組み合わせて多様な製品を作っています。小麦の品種ごとにパンやうどんなどに適した用途が異なる国内外11種類の中から数種を掛け合わせることで可能性はさらに広がります。その無限ともいえる可能性を追求し、お客さまのニーズに応じた小麦粉を生み出すことがメーカーとしての使命です。
—機能性小麦粉「ZOO」シリーズが好調です。
「ZOO」シリーズは、約10年前に導入した微粉加工砕技術を使って開発した、吸水性や保水性の高い機能性小麦粉のブランドです。添加物を使用せずとも、もちもち感やしっとり感を得られ、冷蔵・冷凍下での生地の劣化・老化を抑えられるのが大きな特長。北海道産小麦100%の「CRONOS(クロノス)」など6製品を展開しており、幅広いニーズに対応しています。独自のプラント技術で従来のロール式製粉と両立して生産能力を維持したことも好調な要因の一つです。
—国産小麦粉に注力されています。
国内産小麦は日本人の嗜好(しこう)に合った食感や風味をつくりやすく、食料輸送距離(フードマイレージ)削減の一助ともなります。ラインナップは岡山県産小麦を使用した「でぇーれぇー粉」や北海道産小麦粉シリーズなど15種類。岡山県の製粉企業として、地元の小麦粉を安心して使っていただけるよう、原料に対して知識を深め生産者との情報交換や農場の視察などを行っております。
—リテールサポート(顧客支援)の取り組みとは。
小麦粉はベーカリー店や菓子店、製麺所などで加工され、消費者の口に入ります。そうした2次加工者は、日々の多忙さから情報収集や新技術の習得が難しいことも多いため、加工技術のアドバイスやレシピの提案、定期的な講習会などを実施し2次加工品の開発をサポートしています。お客さまの課題に寄り添い、一緒に解決することは、当社の重要な取り組みの一つです。
—DX化の推進は。
リテールサポートカンパニーを掲げる当社にとってお客さまとの良好な関係づくりは重要です。新たなCRM(顧客関係管理)システムと従来のSFA(営業支援)システムを融合させ、マーケティング活動や新製品開発、お客さまサポートに役立てていく予定です。