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2021トップインタビュー




「やはりエンジンでなきゃ」
 —日本政府が2050年カーボンニュートラルを宣言しました。
 宣言後、経済産業省が「グリーン成長戦略」を策定し、14の産業分野で50年に向けた動きが一斉にスタートしました。身近で産業の裾野が広い自動車業界の動向に目がいきがちですが、あくまでも14分野一斉ですから、もはやどの業界も他人事では済まされなくなりました。さらに、「化石燃料由来の電力を使う電気自動車が本当に環境に良いのか」という以前からの議論は終わりです。電力も脱炭素が求められるからです。
 —カーツはガソリンエンジンを開発中では。
 世界初の機構を備えた新型エンジンを7月にも量産します。当業界も各社が電動化にシフトしている中で逆行する形となります。50年の政府目標から逆算すると35年までには自動車のみならず農業園芸機械の分野でも化石燃料で動くエンジンは販売禁止になるとみています。
 —新型エンジンの寿命は35年まで14年しかありません。
 14年あれば投資を回収した上で十分に利益を確保できます。並行して今年の7月からは35年に向けた脱炭素動力の開発に着手します。
 —技術やノウハウは。
 実は13年前に研究を始めていたのですが、リーマンショックによる経営悪化によって中断されたままになっています。当時とは世の中の技術環境が大きく変わったので開発思想は練り直さねばなりませんが、まさかあの頃の研究が役に立つ日が来るとは驚きです。
 —電動化ですか。
 そこには軸足を置きません。電動化によって当社の外部調達比率が一気に跳ね上がり利益率が著しく低下してしまうのです。電動製品の品質とコストを決定づけるのはバッテリーとモーターですが、中小企業の当社では残念ながらそれらを自社開発することも、自動車メーカーのようにサプライチェーンごと囲い込むことも無理な話です。電動化は必要最小限に止めます。
 —電動化以外の具体策は。
 燃料電池と脱炭素エンジンです。どちらも水素を必要としますが、この度のグリーン成長戦略によって水素供給インフラが一気に前進しています。また、燃料電池の実体は電池ではなく発電機なので、独自開発も可能とみています。しかし本音ではエンジンで勝負したいと思っています。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2021年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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