
2025トップインタビュー



高齢者向けパジャマに注力
—グループの業況はいかがですか。1948年に繊維の卸問屋として創業した当社は、60年代にパジャマの生産でアパレルに進出し、時代の変化に応じてさまざまな分野に挑んで業容を拡大してきました。現在は製造・小売りを手がけるアパレル事業を軸に、不動産、学校経営、ヘルスケア、飲食のほか、米国でも事業を展開しています。アパレルでは自社ブランドの販売やOEM(相手先ブランドによる生産)が好調に推移。中でも高価格帯ジーンズのブランド「ヤヌーク」の人気が高く全国から出店依頼があり、先月22店舗目をオープンしました。
—米国での事業が好調と聞きます。
80年代後半に米国進出し、ロサンゼルスにデニム工場を設立、カナダ国境に近いベリンハムでは不動産事業などを行っています。デニム工場は生地の裁断、縫製、加工の一貫生産をしており、今では生産数米国一の工場に成長しました。現在は自社ブランド「カトー」の売り上げが好調です。一方ベリンハムでは戸建ての住宅販売が好調を維持しています。
—アパレル業界の動向、御社の方針をお聞かせください。
繊維製品の98%が輸入品であり、円安や原材料高の影響で中・低価格帯商品は大変厳しい状況です。そこで当社は高価格帯商品に注力し、インターネット販売を本格的に推進します。構想しているのは、高品質で機能性に優れた高齢者向けのパジャマ。病院や高齢者施設でホームウエアの役割も持つパジャマは、着心地がよく高級感のあるものが求められています。そこで生地にはポリエステルの芯を綿で覆ったコアヤーン糸を使った素材を用い、肌触りと洗濯しやすさを両立。また一人一人の体型にフィットした商品を提供したいと考えています。
—今年のテーマ「儲因(ちょいん)分析」についてお聞かせください。
儲因分析とは、儲(もう)け(利益)が出る要因を分析し、改善策を研究して実行するという意味の造語です。会社が成長し続けるためには、利益の追求だけでなく、その利益がどのようにして生まれているのかを見極めなければなりません。そのためには実際のデータと事実に基づいた分析が何よりも大事です。「儲け」は、消費者や市場が、われわれの提供する価値を評価してくれた結果です。消費者の評価を真摯(しんし)に受け止め、徹底的に「儲因分析」して挑戦を続けてまいります。