2024トップインタビュー
災害廃棄物の処理に備えを
—廃棄物処理と再資源化に精力的に取り組んでおられます。業界団体の名称が「岡山県産業資源循環協会」という通り、われわれは消費され、一度役割を終えたものを資源として生まれ変わらせる「静脈産業」の一翼を担っています。弊社も木の廃材から建材用チップや緑化資材などを生産・販売。注目されにくい業界ですが、これからの社会になくてはならない重要な仕事と自負しています。
—能登半島地震では多くの被災者がいまだに苦しんでおられますが、大量の廃棄物の処理も課題です。
災害廃棄物の発生量は石川県だけで240万トンと推計されています。西日本豪雨時の約10倍です。私は全国団体で災害廃棄物委員会の委員長を務めており、全国の同業者と対策を話し合っています。どの県に重機や運搬車両がどの程度あり何台出せるかなどを取りまとめています。県単位でなく広域処理する見込みで、全国の仲間が協力して片付けを行うことになると思います。
—岡山でも、再度の豪雨や南海トラフ巨大地震の発生が心配されます。
災害廃棄物の処理も備えが大切です。現在、中国5県で災害時の協力協定を結んでいますが、四国4県とは準備中で、締結が急務です。また、県内自治体は廃棄物の仮置き場の設置場所を決めています。いざというときのためにわれわれも開設・運営訓練を県などと合同で実施しました。
—廃棄物をめぐる取り組みで重要なことは何でしょう。
私は教育だと考えます。当たり前のことではありますが、ごみをあらぬ場所に捨ててはいけないとか、物を大事に、といったことを小さいころから教えるのが大切です。その一環として県協会は昨年、小学生を対象とした「廃材アートコンテスト」を初めて開きました。家庭で出た卵パックやペットボトルなどを使った100作品を寄せていただきました。ぜひ、継続開催したいと思っています。
—今後の展望をお願いします。
当社でいえば、金川工場に隣接する土地(約9千平方メートル)に、中間処理工場を増設する予定です。ほこりや騒音の発生を抑えた環境配慮型の最新設備を考えています。また、2025年の大阪・関西万博で引き合いがあれば、会場の緑化用に弊社自慢の再生資材を提供し、環境の大切さをアピールしたいと思っています。