職場で健康プロジェクト ~社員の元気が会社の元気〜

健康宣言する「健活企業」を募集

岡田 一成氏
全国健康保険協会 岡山支部 岡田 一成支部長
 全国健康保険協会(協会けんぽ)岡山支部は、事業主が従業員の健康づくり活動を行う企業(健活企業)を応援する「晴れの国から『健活企業』応援プロジェクト」を6月20日からスタートします。同支部の岡田一成支部長にプロジェクトの狙いや取り組み内容など聞きました。

加入者の健康増進

 お勤めの方々の医療保険の保険者である協会けんぽが、加入者の健康増進を図ることを考えるのは当然です。まして、岡山県は平均寿命と健康寿命の差が大きく、1人当たりの医療費も多い県です。また中小・零細企業が多く、従業員が病欠などすれば、すぐに生産や収益に影響します。事業主が健康経営を宣言した企業を「健活企業」に認定し、活動のサポートや金融機関による優遇金利などのインセンティブの付与を考えています。初年度の支部の目標は200事業所です。

4段階で評価

 例えば、健康診断の受診促進と健診結果に基づくフォロー、ヘルシーメニューの導入、エレベーターの使用削減、禁煙・分煙対策などの取り組みが考えられますが、岡山県内の加入事業所は3万3000社ほどあり、それぞれ取り組める活動は違ってくると思います。仕組みは、まず健康宣言の申出書を加入事業所から受けた時点で「健活企業」に認定します。その際、アンケート調査し100点満点で評価します。最高のSから、A、B、Cの順にランク付けしますが、付与するインセンティブの内容がクラスによって違ってきます。また1年間の取り組みの結果を見て再度評価しランクアップすることもできます。

経営者の理解

 普及には、最初は支部職員が加入事業所を回り、プロジェクトへの参加を呼び掛けていきます。健康経営の普及に向けては全国47の協会けんぽ支部でそれぞれの事情に合わせ取り組んでいますが、健康経営の実施に当たっては経営者の健康経営の視点に立った企業運営が必要です。ぜひご理解いただきたいと思います。

協会けんぽ
 主に中小企業に勤める方が加入する医療保険者。2008年10月、国が運営していた政府管掌健康保険事業を継承し、健診等保健事業や各種保険給付を実施。被保険者とその被扶養者を合わせ全国で約3700万人が加入し、岡山県では県民の4割弱にあたる約70万人が加入している。
国や金融機関も普及をサポート  経済産業省は2年前から東京証券取引所と共同で従業員の健康管理に力を入れている上場企業を「健康経営銘柄」として発表し、魅力ある企業として投資家に紹介しています。

 2年間で33社を選定。このうち広島ガスは、労働時間の短縮を図る一方、時間外労働が長時間に及ぶ社員については、産業医が調査票をチェックしたり面談するなどしています。

 また、日本政策投資銀行は、従業員の健康への配慮に優れた企業を融資の金利で優遇する「健康経営格付」を導入しています。

 具体的には、対象企業に対して「従業員の健康配慮に関する目標を設定しているか」「長時間労働対策を適切に実施しているか」など110問を聞き取り、評価し、A、B、Cの3ランクに格付け。Aには特別な優遇金利、Bには優遇金利、Cには一般金利が適用されます。こうした金利優遇制度は、地方銀行などでも広がりを見せています。