職場で健康プロジェクト ~社員の元気が会社の元気〜

わが社健康経営

 岡山県内で、「健活企業」宣言し健康経営に取り組んでいる事業所が徐々に増えています。12月22日現在で975事業所です。今回は、日本健康会議が「健康経営優良法人2017(中小規模法人部門)」に認定した県内企業3社の取り組みや考え方を紹介します。詳しくは各社のホームページなどを参考にしてください。

事例紹介

内海産業(岡山市東区金岡東町) 朝の体操で柔軟性アップ


朝礼前の「スマトレ」は効果を上げています
 工場内物流の請負など行っている内海産業(従業員約100人)は、朝8時からの朝礼前の5分間、全員でけんぽ体操「スマトレ」を行っています。協会けんぽ岡山支部が健診データを分析し独自に考案したもので、スクワットなどを取り入れ、健康づくりだけでなく転倒防止など労災予防も考えられています。2016年6月の「健活企業」宣言以前から実践しており、「股関節の柔軟性が増したという検証結果も出ている」と松本俊成社長は成果を披露します。

 仕事柄、事故やけがなど安全には以前から気を使っています。しかも60歳以上は約3割と多く、「若い人の採用はままならない。シニアの人にも頑張ってもらわないと人材が確保できない。基本は健康です」と健康経営に乗り出しました。健診のフォロー、インフルエンザ予防接種の補助のほかマラソン、ウオーキング大会などへの参加費補助、食育やお酒についての指導なども行って従業員の健康への意識を高めています。

 松本社長は「今後は、心の健康も含めた取り組みや、家族と一緒のスポーツイベントなども考慮し健康経営の内容をレベルアップしていきたい」と話していました。

ナガオ(岡山市北区京橋町) 健活標語を社員から募集


6時間リレーマラソンに参加した社員たち
 化学工業品製造のナガオ(従業員64人)の「健活企業」宣言は2016年12月。長尾聡一郎社長の提案でした。健活の標語は社員から募集し「心と体『お互い見守り運動』」と決めました。「健康経営の原点は社員の自覚。意識づけにもなる」と、あえて社員から募集しました。

 「見守り」とは、朝のあいさつや業務中の声掛けの際などに部下や同僚の健康状態を観察することです。「朝食とったか」「よく眠れたか」など、ちょっとした言葉の投げ掛けが大切で、そのためには社内のコミュニケーションが取れているかが問われます。

 健康増進だけでなく、コミュニケーションづくりに役立っているのが社員のスポーツ活動です。ソフトボール、マラソン同好会には用具費、大会参加費などを補助。社内のソフトボール、ボウリング大会などは会社負担です。

 同社では長年「残業ゼロ」を目指す風土があります。ワークライフバランスと健康経営がうまくマッチングした形です。長尾社長は「健康経営を通じて安全・安心な職場環境を充実するとともに、仕事への〝やりがい〟を持ってもらうようにしていきたい」と話しています。

旭テクノプラント(倉敷市新田) 数値目標で分かりやすく


健康増進へ社内に整備したフィットネスルーム
 電気設備工事の旭テクノプラント(従業員約100人)は今月、「健活企業」宣言(2016年12月)を自社内では「健幸経営宣言」に改めました。社員と家族の心身ともの健康が全ての基盤であり、社員も家族も健康で家庭生活が充実していることが良い仕事につながるとの考えからです。

 実践に際しては「健康目標チャレンジ11」を掲げました。「従来の取り組みに数値目標を設定し、より分かりやすくしました」と健康経営担当の田邉真理恵さん。ほぼ100%だった社員・配偶者の健診・再検査は100%の維持継続。ほかに喫煙率、肥満率、残業時間の削減、有休取得率の向上など掲げ、肥満該当者には記録用紙を配布し、「週5日、1日30分以上の運動」を目指すようにしています。

 社員が気軽に運動できるよう、社内には各種運動器具や体重計、血圧計、マッサージ器などを完備したフィットネスルームやリラックスルーム、シャワー室があり、取り組みをサポート。藤森健社長は1年を振り返り「健康経営への理解は徐々に浸透し離職率は減った。採用でも学生の応募は増えている」と話していました。