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2024トップインタビュー




高齢者医療の拠点 本格スタート
 —川崎医科大学3番目の附属病院となる高齢者医療センターが昨年9月、岡山市内に開院しました。
 高齢者医療センターは、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう支援することを目的とした病院です。まだ開院半年でこれからが本当のスタートと捉えています。急性期の治療を終えた患者さんを在宅療養につなげる病床、複数の疾患を抱える老年症候群の外来、認知機能に関する診療を行うもの忘れ外来などを備えていますが、こうした診療がますます重要になるのは間違いありません。市民公開講座などを通して高齢者医療センターの取り組みを広くお伝えしたいと考えています。
 —人材育成でも期待されています。
 学生の教育機関でもある大学病院が、高齢者医療や在宅療養支援に携わる例はありません。われわれの初めての試みに注目してくださっている方々の期待に応えられるよう努めてまいります。高齢者に対するケアは、医療と介護が融合した多職種による対応が重要です。実際に多職種によるチーム医療が行われている場所で学生たちが貴重な経験を重ねられるよう、体制をしっかり整えます。
 —高齢者医療センターが開院し、総合医療センター、川崎医療短期大学と合わせた岡山キャンパスの整備が完了しました。
 初代理事長である祖父祐宣(すけのぶ)が岡山市内に外科医院を開業してから86年。岡山キャンパスは学園の原点といえる場所です。そこに新たな医療福祉の拠点ができ感慨深いものを感じます。地域の方々が長年、支えてくださっているおかげです。
 —今後の展望は。
 能登半島地震は甚大な被害をもたらしましたが西日本一帯を襲うとされる南海トラフ地震もいつ起こるかわかりません。災害に強い医療体制をハード、ソフト両面で整えたいと考えています。まず、ハード面では、本館棟の全面改築を含めた災害に強い建物の建設を検討中です。ソフト面では、附属病院内に危機管理室を設置し、各種自然災害や新興感染症、サイバーテロなどの危機的事象に備えます。
 今後、医療現場における情報化やAI(人工知能)はますます発展することが予想されます。それらを活用するだけでなく、患者さんのこころをくみ取り、寄り添うことができる医療福祉人をこれからも育成してまいります。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2024年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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