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2024トップインタビュー




豊かな食シーンを岡山から世界へ
 —創業175周年(2031年)に向け経営の軸となる「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」を刷新し1年がたちました。
 「豊かな食シーンを岡山から世界へ」というビジョン達成へ向け、地域でものづくりに励む人たちと連携し模索中です。代表例は「ノリランカ農園」(岡山県吉備中央町)での農業体験。幹部社員が伝統的な手法で田植えや稲刈り、はざかけによる天日干しという稲づくりを経験し、米本来のおいしさや原材料のありがたみと苦労を実感しました。現代は効率化が重視されがちですが、非効率でも丁寧に時間をかけて行うモノづくりは非常に価値が高いことだと考えています。
 —今年の中心テーマは「季節」です。
 コロナ禍による行動制限が緩和され訪日外国人数は増加傾向にあります。観光客の消費動向は「モノ消費」から、多様な体験を楽しむ「コト消費」へシフトしています。食べる楽しみは世界共通で、特にそこでしか食べられないものに価値があります。喫茶スペース併設の直営店では、日本ならではの「季節」を感じていただけるよう、野菜中心のランチやスイーツメニューを強化しています。
 —SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みは。
 地元産の材料や作り方にこだわった「むかし吉備団子」は特別栽培の餅米を使用。24個入りの箱には秋田杉の間伐材を使用しています。さらに、食品安全衛生の国際規格「ISO22000」を取得し持続可能な生産消費形態を実現しています。また、昨年末には4年ぶりに餅つき大会を開催し地域の方へお餅やぜんざいを振る舞いました。特にお子さま対象の餅つき体験は食文化の継承の場にもなっています。おいしいお餅を食べたという子どもたちの記憶が廣榮堂と結びつき、ブランディングにもつながれば嬉しいです。
 —特注に対応しているオートクチュールきびだんご。人気映画やゲームとのコラボ商品が話題です。
 岡山名物きびだんごの文化をつないでいくためには、多くの人に食べてもらうきっかけを発信し続ける必要があります。これまでアニメ映画「すずめの戸締まり」、映画「ゴジラ—1・0」のロゴ、イラストをパッケージなどに使い好評でした。県外の人には知って食べてもらえるよう、地元の人には今年は何だろうと楽しみにしていただけるよう、企画力を磨いていきます。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2024年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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