2024トップインタビュー
技術こそ家づくりの根幹
—業界の現況と対策についてお聞かせください。資材や人件費の上昇で建築費自体が高騰しており、建築件数は減少傾向にあるようです。そうした中では、見積もりの段階で正確かつ適正な建築費を提示する必要があります。当社では昨年4月にCAD(コンピューター利用設計システム)の図面上から的確な部材の数量を抽出して見積もりに転換できるソフトを導入し、建築費を抑える努力を重ねています。また、5年以上をかけて構築してきた独自のシステム「TAIHEI—net」をこの4月に一新。発注や支払い査定はもちろん、現場での危険予知活動、写真による現場報告などを全ての協力会社・各種職人と情報共有することで、安全と品質の向上を目指しています。
—社員が健康に働ける体制づくりに注力されています。
従業員が心も体も健康でなければ生産性は上がらず、会社の発展にもつながらないと考えています。そのような考えから実施しているさまざまな取り組みが評価され、経済産業省の「健康経営優良法人2024」認定と、全国社会保険労務士連合会による「職場環境改善宣言企業」の認証を受けました。
—環境に配慮した建物づくりとは。
環境への負荷を少なくすべく、ISO14001(環境)を取得し、SDGsにも取り組んでいます。さらに、現場周辺の方々の迷惑とならないよう、そして入居したお客さまが近隣の人々に受け入れられやすくするためにも、騒音や振動を極力抑えるよう努力しています。建物の品質はもちろん、そうした住環境への配慮は全てのお客さまの安心につながると考えています。
—創業60年を迎え、今後の展望をお聞かせください。
1964年に祖父が自社設計・施工の建設会社として創業し、2代目の叔父が住宅メーカーの下請けをメインに事業を拡大しました。大工や現場管理を経験した後に3代目となった私は、「技術こそ家づくりの根幹」という考えの下、先代2人が築いた事業を柱に、個人事業主である専属の大工や各種職人を社員登用する「社員大工」と「社員マイスター」に取り組み、自社施工ができる会社づくりを目指しています。家づくりを熟知した職人が社員となり、社の取り組みや世の中の流れをより深く理解することで、よりよい家づくりが可能になると確信しています。