2024トップインタビュー

　—業界の現状と貴社の対応は。
　円安と材料費、人件費の高騰により、商品価格の上昇傾向が続いています。富裕層が投機の対象としてダイヤモンドなどの宝石を持つ流れも一段落。コロナ禍が落ち着いて消費行動が多様化している中、手が届きやすい価格層での新たなスター商品の発掘が求められており、特に２０代、３０代に振り向いてもらえる商品はないか、若手スタッフたちと模索を続けているところです。さらに、モノを販売するだけではなく、メーカー主催のイベントで豪華な食事を味わったり、海外の工場見学ツアーに参加してもらったりすることで、お客さまに納得していただけるプラスアルファの価値を提供したいと考えています。
　—昨秋、東京に進出されました。
　東京・銀座に宝飾品店「ＧＩＮＺＡ　ＴＯＭＩＹＡ」をオープンさせ、関東圏のお客さまにも自社ブランド商品を生で見ていただけるようになりました。銀座への出店は岡山県内外の経営者の方々からの反響が大きく、宣伝効果の高さに驚いています。今後の他地域への進出は未定ですが、良いお話があった際にいつでも対応できるよう、企業の基礎体力を付けておきたいですね。
　—岡山初となるスイスの高級腕時計ブランド「タグ・ホイヤー」の専門店を表町商店街にオープンさせました。
　岡山を含め国内４カ所にあるタグ・ホイヤーブティックのうち、３店が当社の運営です。比較的カジュアルなブランドであり、良い時計を多くの人に身に着けてもらいたいと考え、出店しています。表町商店街を構成する下之町商店街には、イベントスペースを併設した「Ａｇｅｄｏｒ（アジュドール）」、雑貨がメインの「Ｏｍｏｔｅｃｈｏ　Ｓｔｙｌｅ　Ｓｔｏｒｅ」など、複数の多彩な店舗を展開。今後も特別感あふれる商店街を演出していき、地方都市では珍しいブランドブティックの集積地を目指したいです。
　—今後の展望をお聞かせください。
　若手人材の採用に力を入れており、大学生の交流イベントに参加することで、どうすれば学生たちの心をつかめるか模索しています。先を読むのが難しい時代ですが、日々の業務の積み重ねで成長を続け、当社で働いてよかったと思える企業にしたいですね。また、下之町商店街の理事長に加え、４月から岡山商工会議所青年部の会長に就任することから、エリアの活性化にも引き続き尽力していく所存です。