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2024トップインタビュー




国際化見据え役割果たす
 —運転手不足の中、自動車学校が果たす役割は大きくなっています。
 外国人労働者を受け入れるため、在留資格「特定技能」の対象に自動車運送などが決定されており、トラックやバス、タクシーのドライバーを想定していると考えられます。現に欧州においては、物流や公共交通機関で移民などの外国人材が活躍中。運輸業界の労働力不足が深刻化する中では妥当な施策であり、私たちの業界にとっても明るい材料です。不透明な点は多いですが、時代のニーズに対応するため準備を進めます。運輸以外でも、特に地方においては在留外国人が自動車を使うことで移動が快適となり、生活の行動範囲が拡大します。当グループでは以前より外国人教習生を積極的に受け入れており、ベトナム人の教習生に限っても一昨年は約300人だったのが、昨年は630人と倍以上に増えています。
 —外国人が運転免許を取得する際の課題と、その対応策は。
 日本人と比べ試験の合格率が低い点です。特に学科試験で何回も落ちるケースは珍しくはありません。岡山県の試験は英語、中国語、ベトナム語、ポルトガル語の4カ国語に対応していますが、日本語の問題文を、母国語で読んでも意味不明と聞きます。これは岡山県だけではないそうで、外国人の方が問題を理解できる設問にしていただくことを願うばかりです。また、現地の日本語学校ともタイアップし、運転に必要な日本語も同時に学習する機会なども考えています。「道路標識」「右左折」などとその日ごとのテーマを設けたり、日本と外国との交通ルールを比べたりしても面白いかもしれません。
 —多様なメリットがありそうです。
 外国人と接することでスタッフの指導スキルが高まるのはもちろんです。今年は社員研修の一環として、台湾・ベトナム・インドに希望者を連れて行きます。現地の交通事情や教習内容などを勉強し、他の職員と情報共有を行い、より質の高い教習につなげていきたいと考えています。また、日本の交通マナーに対する意識の高さを母国に伝えてもらうことで、その国の安全・安心に貢献でき、国際貢献につながると考えます。特にベトナムとは、岡山市が同国南部のロンアン省と経済・観光での相互協力を進めており、官民での交流が増えそうです。外国人への教習を通じ、誰一人取り残さないグローバル社会の構築に貢献していきたいですね。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2024年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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