プレミアム倶楽部

2024トップインタビュー




万物には「魂」が宿る
 —リサイクル業界の現況は。
 カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)に向けた流れは継続中です。鉄鋼メーカーは、鉄鉱石をもとにした高炉製鋼法から使用済みの鉄を溶かして再生する電炉製鋼法にシフトする動きが始まり、弊社の製品である鉄をはじめとしたさまざまなリサイクル原料のニーズが高まっています。決して景気が良いわけではありませんが、こうした社会の価値観の変化から再生資源の価値は上がっています。
 —昨年からエアコン室外機を解体するロボットの実証実験をしています。
 パナソニックが開発したロボットに技術協力をさせていただきました。手作業の場合だと4分かかる解体作業が、ロボットを使うことで約90秒と大幅に短縮できます。人力では一番大変な工程の自動化が可能になり、今秋の実用化を目指しています。夏の猛暑が当たり前になり、エアコンは家庭や職場に複数台設置される時代になりました。人手不足も進む中で、近い将来大量に処理できるようにしておかないといけません。ロボット化の最初の対象をエアコンに定めたのはそのためです。今後は、他の品目にも自動化が広がることを期待しています。
 —新しい企業PR誌を発刊されました。4月1日からホームページ(HP)も一新しましたね。
 ペーパーレスが叫ばれるこの時代にあえて温かみのある紙で「HIRAKIN magazine」という雑誌を発刊しました。会社の情報だけではなく古代吉備の伝説やたたら製鉄の話なども盛り込んでおり、ずっと手元に置いていただけるような新しいかたちの会社パンフレットを目指しました。HPはサーキュラーエコノミー(循環経済)の事業アピールが大きな狙いです。製造メーカーがサーキュラーエコノミーへの転換に向けた取り組みを始める中、弊社の技術や連携事例がヒットするようなHPを目指しました。実際に現在進行中の製造メーカーとの取り組みもHP検索がきっかけでした。
 —今年から新たな取り組みを開始されたそうですね。
 リサイクル原料に「真心の魂を込めて送り出す」ということを今年1月から始めました。日本では古来より万物には魂が宿ると考えられてきました。良い波動をもった資源が様々な製品に生まれ変わりプラスのスパイラルを育んでいく。今はまだ手探りの段階ですが時間をかけて取り組んでいきます。




クリックで企業、教育機関のウェブサイトを開きます
企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2024年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

>>山陽新聞プレミアム倶楽部トップへ