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2024トップインタビュー




新中期計画で「攻め」の経営
 —現況についてお聞かせください。
 この数年悩まされていた資材の高騰や調達難は一段落し、前期、今期ともに乗り切ることができそうです。一方で業界の人手不足は深刻化。労働人口の減少に加え、コロナ禍により引退を余儀なくされた65歳以上の人材が経済回復後も戻らない事態となっています。円安が進み、海外からの労働者確保も容易ではありません。2024年度からは、時間外労働を原則月45時間以内、年360時間以内に規制するルールが建設業でも適用されます。業務の効率化は避けては通れない課題であり、生成AI(人工知能)の活用が企業の盛衰を左右すると考えています。
 —新しい中期経営計画の策定を計画されています。
 目まぐるしい環境の変化に対応するため、現中期経営計画の期間終了(25年)を待たずに新しい計画をつくります。現行計画では、受注額確保や予算超過リスクの回避など目先の問題にどう対応するかという「守り」の側面を重視していました。新計画は、コロナ禍以前に抱えていた課題をもう一度見つめ直し、革新的な展開を進める「攻め」の内容にします。7月スタート予定でまだ中身は固まっていませんが、人・モノ・情報に対する投資を進める予定です。人材獲得に向けたアプローチ方法の見直し、会社の拠点の整備、AIに関する産学官連携の推進や事務の省力化などに取り組み、可能なものは前倒しで実行していきます。
 —厚生労働省の「安全衛生優良企業」に認定されました。
 16年度より「アラキ・アカデミー」と銘打ち、協力会社の現場リーダーらに管理者講習を行ってきました。継続的に行うという点で、他に例のない取り組みです。生産効率や品質の向上、現場の絆が深まるなどのメリットがあり、営業の際のアピールポイントにもなっています。この他にも、年次有給休暇に加えて家族休暇を付与するなど、かねてより働きやすい職場づくりを進めてきました。認定は3回目で、岡山県内では唯一とのこと。一連の取り組みが評価されたと喜んでいます。
 —今後の抱負をお願いします。
 組織を進化させるためには、正しい社風を維持していかなければいけないと考えており、昨今の企業のコンプライアンス問題を見るたびにあらためて強く感じています。経営感覚だけでなく、感受性も豊かにすることで時代の潮目を乗り越えていきたいです。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2024年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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