プレミアム倶楽部

2024トップインタビュー




技術力で高難度の製品を開発
 —業界の現況は。
 主要出荷先の関西地方は再開発が盛ん。JR大阪駅北側の「うめきたⅡ期」では46階の超高層マンションの建設が進められており、当社のPCa(プレキャストコンクリート)製品が使われています。大阪市中心部の中之島、本町、淀屋橋といったオフィス街にもマンションが続々と建てられているほか、3月に鉄道が延伸した大阪府箕面市でも開発機運が熟しています。また大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングでは、全体の3分の1がPCa製品を使用し、その半分で当社の製品が使われています。工場は昨年度よりフル稼働の状況が継続。現在は幾分落ち着いていますが、6月ごろからまた忙しくなりそうです。
 —PCa製品の必要性と、貴社の強みをお聞かせください。
 PCa製品は、工場であらかじめ製作し現場に運んで組み立てる資材。建設現場での作業員・職人不足の解消が図れるだけでなく、工期を短くすることもできます。当社のPCa製品の製造は壁材やベランダから始まり、現在は梁(はり)や柱などの構造部材がメイン。競合他社が中四国に少ないことから、各地のゼネコンなどから受注をいただいており、リピーターも多いです。強みはどこと比べても負けない技術力。手がける部材は年々難易度の高いものになっていますが、工場の技術者らはそれを難なくつくり上げており、会社の屋台骨を支えてくれています。
 —技術開発に注力しておられます。
 かねてより実験している地球環境に優しい「ECMコンクリート」は製品認証を受け、3月に認定証が手元に届きました。ECMはまだPCaとしての使用が限られているため、住宅建築資材として使えるコンクリートの商品化を目指して異なる気象条件下で製品の強度を確かめる実験にこの冬から着手。今後も実験を重ね、2024年度中の認証を計画しています。
 —今後の展望をお願いします。
 工場は築30年が過ぎて老朽化が進んでいます。利益を設備投資に回し、各施設を数年かけて順次更新する計画で、来年はプラントを新しくする予定です。若い人材の採用にも力を入れ、ベテラン社員とともに新たな社風を築いていきたいですね。昨年は初めて地元の和気閑谷高校の生徒を職業体験で受け入れ、その縁で当社のラジオCMを制作してもらいました。今後も地域に親しまれる企業を目指します。




クリックで企業、教育機関のウェブサイトを開きます
企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2024年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

>>山陽新聞プレミアム倶楽部トップへ