2024トップインタビュー
医療介護の新機器 次々と発表
—医療・介護業界の現況は。コロナ禍による入院患者の減少に物価の高騰も加わり、医療・介護施設は厳しい経営状況が続いていました。しかし本年度の診療、介護、障害福祉の3報酬の同時改定により、当社製品の導入を保留していた事業者さまからの注文が増えると予測しています。地域包括ケアシステムを進める医療・介護・障害福祉サービスの連携が強化され、高齢者のリハビリテーションサービスの充実が予想されます。へき地医療のためのICT(情報通信技術)を活用した医療機器の需要拡大も期待されます。
—新製品を次々と発表しています。
半導体不足が解消し、準備していた製品をようやく販売できるようになりました。昨年12月には座ったまま入浴できる介護用入浴機器「セレーノチェアイン」、さらに主力製品である低周波治療器「アイビス」の機能を格段にバージョンアップさせた最新版の「IVES Pro」を発売しました。アイビスは11月にドイツで開催された世界最大の医療機器展MEDICAにも出展し、非常に高い関心を集めました。今年1月からは、本田技研工業から歩行アシスト事業を継承して完成したロボットリハビリテーション機器「フィジボ」シリーズの販売を開始。これはアプリ「オージーデータリンク」で利用データをクラウド上に保存し、リハビリの振り返りや分析も可能です。いずれの製品も介助者の負担を軽減し、ケアやリハビリの効果をいかに出せるかを重視して開発しています。
—先月、本社西隣に「オージーウエルネスラボ」がオープンしました。
実際に入浴体験できる介護浴室やリハビリ室を模した空間に全商品を展示し、実際に機器を動かして移動の流れや使い心地を試せる全国でも類のない施設です。今後、さまざまなメーカーと共同開発を行うラボとしての役割も果たします。また昨年11月には岡山駅前に新事務所を開設。アクセスの良さを生かし、新製品開発の協力企業との連携強化に役立てたいと考えています。
—今後の展望をお聞かせください。
医療、リハビリ機器の普及、発展のため、日本理学療法機器工業会会長、日本医療機器産業連合会理事など多数の業界団体で活動しており、今後も一層注力していきます。当社は今年創業75周年を迎えます。「+ホスピタリティ」を合言葉に、今年も世界ナンバーワンのリハビリ総合メーカーを目指してまい進していきます。